1.本委員会(2023年度は4回実施)

2023年6月16日(金)に株式会社 アイメックス(広島県尾道市)において見学会及びオンラインを併用した講演会を開催し情報交換を行った。講演は下記3件。

 (1)新SUS329J1に関して 日鉄ステンレス 及川雄介氏

 (2)高温割れに関する講演 大阪大学 山下正太郎氏

 (3)P含有耐熱ステンレス鋼溶接金属の凝固割れ抑制技術 日本製鉄 小薄孝裕氏

株式会社アイメックスの見学会

2023年9月25日(月)に東光鉄工(秋田県大館市)の見学会、9月26日(火)に同市でオンラインを併用した講演会を開催し、情報交換を行った。講演は下記2件。

 (1)材料学を視点とした新しい微生物腐食研究を目指して 秋田大学 宮野泰征氏

 (2)分子接合技術を用いた異種材料接合 いおう化学研究所 森克仁氏

東光鉄工株式会社の見学会

2023年11月27日(月)に「積層造形の特性・組織制御」を主題にスタディグループ会議を兼ねて(国立研究法人)産業技術総合研究所(臨海副都心センター)、東京都立産業技術研究センターにおいて見学会ならびにオンラインを併用した講演会開催し、講演会と情報交換を行った。講演は下記2件。

 (1)ワイヤ供給を用いたチタンと鋼の異材レーザ溶接の試行 産業技術総合研究所 瀬渡直樹氏

 (2)金属積層造形における凝固割れ感受性評価法の検討 大阪大学 門井浩太氏

2024年3月6日(水)に溶接会館(東京)でオンラインを併用して講演会を開催し、下記4件の講演と情報交換を行った。

 (1)スーパー二相ステンレス鋼/炭素鋼の圧延クラッド及び合せ材の特性評価 日本冶金 韋富高氏

 (2)バイオマス発電や事業用火力発電ボイラの肉盛溶接技術 ウェルディングアロイズ・ジャパン  清水友基氏

 (3)Cu含有低合金鋼のHAZ靱性について 日本製鋼所M&E 本間祐太氏

 (4)Fe-25Ni-3Cオーステナイト系溶接金属における加工誘起マルテンサイトと低温靭性の関係 日本製鉄 立花隼人氏

2.特殊材料溶接研究委員会70周年記念事業

 特殊材料溶接研究委員会70周年記念式典を2023年11月29日に学士会館にて開催した。委員長挨拶、来賓祝辞の後、資源エネルギー庁国際カーボンニュートラル政策統括調整官木原晋一氏「我が国のグリーントランスフォーメーション(GX)実現に向けて」と題する特別講演が行われた。また、委員会の発展に大きな功績のあった4名に対し、功労者表彰、交流会が行われた。  合わせてこれまでの歴史と今後の展望、会長、委員会幹事の寄稿、式典の概要をまとめた委員会70周年記念誌を発行した。

式典の記念撮影の様子

3.「積層造形の特性・組織制御」スタディグループ(SG)

 2020年度から「積層造形の特性・組織制御」スタディグループの活動を開始した。第1回のSG会議と見学会をは2023年8月1日(火)に第2回SG会議は上記の第3回本委員会(上記参照)を兼ねて開催し、第3回SG会議は2024年2月5日(月)にオンラインを併用して開催し講演ならびに文献調査報告を行った。

大陽日酸での積層造形設備の見学会

4.講習会

 当委員会での活動成果として発刊された「ステンレス鋼溶接トラブル事例集」(産報出版)の内容をベースにして、ステンレス鋼の溶接構造物の設計者向けの内容も加えた講習会「溶接トラブルに学ぶステンレス鋼の有効活用と信頼性確保 - 設計者のための溶接管理技術 -」を開催した。講習会は2024年1月19日(金)にリファレンス大博多ビル(福岡市)において対面受講とオンライン受講を併用するハイブリッド方式にて実施した。両方式を合わせて57名の受講者が参加し会場、WEB双方からチャットも含め活発な質疑が多数寄せられ、成功裡に実施された。

オンライン併用方式による講習会の開催状況

5.ガイドブックの書籍化

 2014年度から新たに異材溶接技術に関するガイドブックの作成のためのWGを設置し、活動成果として2018年度に特殊材料溶接研究委員会編「異材・肉盛溶接ガイドブック」をブリテンとして刊行した。これらは、委員会内部資料としての位置づけであったため、2020年度からWGを設置して構成を見直すとともに、内容を詳細に議論して完成度を高めて来年度の発刊を予定している。

6.規格関係

 溶接協会規格WES 7102,7602(チタンの溶接関係)の定期見直しを行い、改定案を規格委員会に提示した。また、ステンレス鋼協会に設置されたJIS G 4317(二相ステンレス鋼材関係)追補改正原案作成委員会からの協力要請に対し当委員会から委員を派遣して対応した。

6.会員の動向

会員企業数は、27社である。