2022年度事業報告(2023.4.1)

本年度は4回の本委員会を開催した。第1回は書面審議とし,第2回は国際ウエルディングショーに合わせた会合とし,そして第3回はシンポジウム時に,第4回は見学会時に開催した。また,本委員会に先立って,6月6日,7月15日,8月3日には,正副委員長会合をし,主にシンポジウムの開催について議論を行った。本年度には,コロナ禍で延期となっていた見学会も実現することができた。

1.委員会・シンポジウム

(1) 第1回委員会2022年5月23~31日 書面会議
2021年度活動報告,2021年度決算・監査報告,2022年度事業計画案,2022年度予算案,2022年度体制について異議なく承認された。

(2) 第2回委員会2022年7月14日(木) 東京ビッグサイト(東京国際展示場)会議棟103+104号室
シンポジウムのテーマと講演者についてに審議した。正副委員長幹事長が翌7月15日開催のフォーラムに手分けして参加し,最新動向を確認の上,決定することになった。

(3) 第3回委員会(シンポジウム)2022年12月9日(金)(一社)日本溶接協会溶接会館2階ホール(WEB会議室併用)
第8回シンポジウム「カーボンニュートラルに貢献する溶接技術」
総勢8名の講師より以下の講演を開催した。講演終了後は総合討論の時間を作り、さらに議論を深めた。
①「カーボンニュートラル社会の実現に向けたプラント設備の動向」千代田化工建設株式会社  坂田 健太郎 氏
②「IHIにおけるカーボンニュートラルへの取り組みと溶接技術」株式会社IHI山岡 弘人 氏
③「国際水素サプライチェーン構築に向けた取組み -液化水素タンクの溶接技術開発-」川崎重工業株式会社 青木 篤人 氏
④「高圧水素用ステンレス鋼の高強度と耐水素脆性の両立技術及びその溶接方法」日本製鉄株式会社 小薄 孝裕 氏
⑤「車体の軽量化に貢献する新接合技術の開発」株式会社ダイヘン 長谷川 慎一 氏
⑥「カーボンニュートラル実現に向けたものづくりの進化 ~接合技術開発の取り組みとその方向性~」トヨタ自動車株式会社 牧野 潤一郎 氏
⑦「カーボンニュートラルに寄与するAM技術(DfAMと品質保証)」三菱重工業株式会社 石出 孝 氏
⑧「アルミニウムのリサイクルにおける溶接技術 ― 富山の取り組み ―」富山大学 柴柳 敏哉 氏

(4) 第4回委員会2023年3月22日(水)㈱ダイヘン六甲事業所 会議室
シンポジウムの総括、次年度の組織体制及び活動計画について審議された。

2.見学会(2023年3月22~23日)

株式会社ダイヘン六甲事業所及び徳島県立工業技術センターの施設を見学し,知見を共有した。

以上

2021年度事業報告(2022.4.1)

 本年度は4回の委員会を開催した。第1回(6月11日)は、溶接会館10階特別会議室(WEB会議室併用)で、第2回(9月2日)は、溶接会館4階A会議室(WEB会議室併用)で、そして第3回(11月12日)は今年で7回目となるシンポジウム「第7回溶接・接合プロセス研究委員会シンポジウムものづくりにおける最新のDX・DT(デジタルトランスフォーメーション・デジタルツイン)~溶接・接合技術への展開~」として、新型コロナウイルス感染症の拡大防止対策を施した上で、溶接会館2階ホールでの対面式とオンラインとの併用(ハイブリッド形式)により開催した。第4回(3月14日)は、溶接会館5階B会議室(WEB会議室併用)にて開催した。また、6月25日、8月31日、9月2日及び3月10日には、正副委員長と幹事長、事務局がWEB会議室を使ってオンライン会議を開催し、それぞれ昨年度の決算と事業報告、今年度の予算と事業計画、次年度の見学会やシンポジウムの開催、運営内規改正案などについて議論を行った。なお、これまで毎年開催してきた見学会については、昨今のコロナ禍の状況を勘案し、延期することとなった(3月14日の委員会へ変更)。

1.委員会・シンポジウム

(1)2021年度第1回委員会(講演会) 2021年6月11日(金)(一社)日本溶接協会溶接会館10階特別会議室とWebex Meetings会議室の併用にて下記の3名の方々からご講演いただいた。
講演①「認知アーキテクトを考慮したマルチモーダルVR溶接訓練システムの開発」
国立研究開発法人 産業技術総合研究所 大山 潤爾 氏
≪概要≫
作業の理解や訓練では、知識や暗黙知としてのコツなど「何を伝えるか」を知ることに加えて、「どう伝えるか」が重要である。本講演では、複数の感覚を使い分けて効果的で直感的な学習が可能なマルチモーダルVR溶接訓練システムを紹介する。(記大山氏)
講演②「建築施工のデジタル化を推進する「鹿島スマート生産ビジョン」と溶接ロボット技術の開発および運用」
鹿島建設株式会社 藤本 信夫 氏
≪概要≫
昨今の建設業では、少子高齢化に伴う生産年齢人口、新規入職者、技能労働者の減少が大きな問題となっており、生産性の向上、作業の効率化、働き方改革の推進が喫緊の課題となっている。
このような状況から鹿島では、発展を続けるICT化・ロボット化技術に着目し、それら先端のデジタル技術を積極的に取り込んで生産性を高めた建築生産の実現を目指し、2018年に「鹿島スマート生産ビジョン」を策定した。このビジョンでは「ワーク(作業)」「マネジメント(管理)」「エンジニアリング(生産プロセス)」の3分野について、それぞれ「作業の半分はロボットと」「管理の半分は遠隔で」「すべてのプロセスをデジタルに」のコア・コンセプトを掲げ、開発を推進してきており、最初にこれらの概要を紹介する。
また鉄骨分野に目を移すと、特に高度な技能を必要とし、連続作業で身体の負担も大きい現場溶接技能者の労働力不足が深刻になりつつある。このため、それを補完する新たな担い手として自動化・ロボット化技術に着目し、鹿島グループ全体で溶接ロボットを適用した技術と工法を開発し、現場溶接技能者の補完・支援、現場溶接作業の効率化・省力化を図る対策を早くから進めてきた。その経緯、技術開発の内容、運用体制の構築および適用事例の概要を次に紹介する。(記藤本氏)
講演③「ファイバーレーザ最新技術と溶接モニタリングについて」
IPGフォトニクスジャパン株式会社 菊地 淳史 氏
≪概要≫
IPGフォトニクス社製ファイバーレーザの最新技術のご紹介およびICI技術を使った溶接モニタリングと応用についてご紹介します。(記菊地氏)

(2) 2021年度第2回委員会 2021年9月2日(木)(一社)日本溶接協会溶接会館4階A会議室(WEB会議室併用)にて
主に、第7回シンポジウムの事前準備等確認と内規改正について審議した。見学会については、開催予定の方向で検討することになった。

(3) 2021年度第2回委員会(シンポジウム) 2021年11月12日(金)(一社)日本溶接協会溶接会館2階ホールにて
第7回シンポジウム「ものづくりにおける最新のDX・DT(デジタルトランスフォーメーション・デジタルツイン)~溶接・接合技術への展開~」
「デジタルツインを取り巻く現状と日本のものづくり革新に向けた課題」
科学技術振興機構 中村亮二氏
≪概要≫
ものづくり分野の革新にはデジタルトランスフォーメーションの推進が不可欠です。その中核となる技術の一つがデジタルツインです。本発表では、今春策定された第6期科学技術イノベーション基本計画も踏まえ、ものづくり分野を中心としたデジタルツインの国内外動向、デジタルツインの高度化に向けた課題、および今後の展望や期待についてご紹介します。(記中村氏)
「造船工場の見える化:溶接施工のデジタルマネジメントに向けて」
東京大学 青山和浩氏
≪概要≫
大型の綱構造物である船舶の様々な溶接箇所を高品質に仕上げる労働集約型の造船工場では、溶接作業者を中心とした生産システムの技術的変革が期待されている。特に、IoT(Internet of Things)などを駆使した高度情報化による工場のデジタルツインの構築は大きな期待が寄せられる。本講演では、造船の建造システムのCyber-Physical System(CPS)実現について話題を提供し、造船技術とデジタルツインの方向性を議論する。(記青山氏)
「労働生産人口低下に対する人・機械協調AI研究」
産業技術総合研究所 谷川民生氏
≪概要≫
少子高齢化による労働生産人口の低下から、生産性の低下が懸念されている。特に作業工程の柔軟さが必要な業務である労働集約型産業においては、人の柔軟性が不可欠であり、今までの自動化の仕組みを活用することが難しい。その上で少ない労働者で生産性を維持していくためには、人の柔軟性とロボット等の効率性の組み合わせである協働によって、一人あたりの生産性を向上させることが重要となる。本講演では、DX化からさらにサイバーフィジカルシステム(CPS)への展開で作業環境をサイバー上に表現し、そこで作られるデータとAIを活用し、ロボットと人との協働作業を実現するコンセプトを紹介し、労働生産人口の低下の社会課題解決に向けた開発の方向性を議論する。(記谷川氏)
「溶接狙い位置自動補正(L-ROBOT)」
リンクウィズ 鈴木紀克氏
≪概要≫
産業用ロボットでは決められた形状の物を決められた位置にセットしないと正確な溶接加工はできない。そんな『ちょっと使いにくいを改善し、少し人に近づけたロボットの活用』を目指す弊社ビジョンシステムソフトウェア(L-ROBOT)についての講演を行います。(記鈴木氏)
「AI技術を活用した溶接外観検査の自動化・省人化へのソリューション開発」
パナソニックスマートファクトリーソリューションズ 小松嵩宙氏
≪概要≫
アーク溶接ロボットを用いた溶接後の後行程としては溶接ビードの外観検査工程が存在する。この外観検査は多くの溶接現場で人による目視検査が行われており、検査担当者の負担は非常に大きかった。当社ではこの課題に対して溶接後の外観検査をAI(Artificial Intelligence)技術・3次元データ解析技術を用いて自動化・省人化する溶接外観検査ソリューション Bead Eyeをリンクウィズ株式会社と共同開発した。(記小松氏)
「建築施工のデジタル化を推進する「鹿島スマート生産ビジョン」と溶接ロボット技術の開発および運用」
鹿島建設 藤本信夫氏
昨今の建設業では、少子高齢化に伴う生産年齢人口、新規入職者、技能労働者の減少が大きな問題となっており、生産性の向上、作業の効率化、働き方改革の推進が喫緊の課題となっている。このような状況から鹿島では、発展を続けるICT化・ロボット化技術に着目し、それら先端のデジタル技術を積極的に取り込んで生産性を高めた建築生産の実現を目指し、2018年に「鹿島スマート生産ビジョン」を策定した。このビジョンでは「ワーク(作業)」「マネジメント(管理)」「エンジニアリング(生産プロセス)」の3分野について、それぞれ「作業の半分はロボットと」「管理の半分は遠隔で」「すべてのプロセスをデジタルに」のコア・コンセプトを掲げ、開発を推進してきており、最初にこれらの概要を紹介する。また鉄骨分野に目を移すと、特に高度な技能を必要とし、連続作業で身体の負担も大きい現場溶接技能者の労働力不足が深刻になりつつある。このため、それを補完する新たな担い手として自動化・ロボット化技術に着目し、鹿島グループ全体で溶接ロボットを適用した技術と工法を開発し、現場溶接技能者の補完・支援、現場溶接作業の効率化・省力化を図る対策を早くから進めてきた。その経緯、技術開発の内容、運用体制の構築および適用事例の概要を次に紹介する。(記藤本氏)
「ファイバーレーザ最新技術と溶接モニタリングについて」
IPGフォトニクスジャパン 菊地淳史氏
≪概要≫
レーザ発振器の高出力化、小型化、低コスト化により、レーザが産業用ツールとして幅広く使われるようになってきた。従来工法からレーザ加工に置き換えることで、自動化、省力化を推進でき、製品のコストダウンにも寄与できる。本講演では、ファイバーレーザの最新技術をご紹介するとともに、溶け込みをインラインでリアルタイムに監視できる溶接モニタリング装置を紹介する。(記菊地氏)
「認知アーキテクトを考慮したマルチモーダルVR溶接訓練システムの開発」
産業技術総合研究所 大山潤爾氏
≪概要≫
作業の理解や訓練では、知識や暗黙知としてのコツなど「何を伝えるか」が重要であることに加えて、「どう伝えるか」が重要である。本講演では、複数の感覚を使い分けて効果的で直感的な学習が可能なマルチモーダルVR溶接訓練システムを紹介する。(記大山氏)

(4) 2021年度第4回委員会 2022年3月14日(月)(一社)日本溶接協会溶接会館5階B会議室(WEB会議室併用)にて
シンポジウムの総括、次年度の組織体制及び活動計画について審議された。
以上

2020年度事業報告(2021.4.1)

 本年度は2回の委員会を開催した。第1回は溶接会館4階A会議室とWebex Meetings会議室を併用して講演会を開催した。第2回(拡大幹事会)は国立研究開発法人 海上・港湾・航空技術研究所 海上技術安全研究所の見学会を行った。
 これらにより、溶接・接合プロセスと加工・接合部の材料解析技術に関して最新の情報を共有すると共に、各分野のトップクラスの研究者を交えて、現状の課題と今後の発展の方向性について討論、意見交換を行った。
 また、5月22日,9月1日,11月6日及び2月8日には、正副委員長と幹事長、事務局がWEB会議室を使ってオンライン会議を開催し、それぞれ昨年度の決算と事業報告、今年度の予算と事業計画、次年度の見学会やシンポジウムの開催などについて議論を行った。
 なお、これまで毎年行ってきたシンポジウムについては、昨今の新型コロナウイルス感染症への対策を勘案し、やむを得ず中止することとなった。

1.委員会(講演会)

(1)2020年度第1回委員会(講演会) 2020年9月1日(火)(一社)日本溶接協会 溶接会館4階A会議室とWebex Meetings会議室の併用にて
下記の3名の方々からご講演いただいた。
講演①「造船工場の見える化:溶接施工のデジタルマネジメントに向けて」
東京大学 青山 和浩 氏
講演②「労働生産人口低下に対する人・機械協調AI研究」
産業技術総合研究所 谷川 民生 氏
講演③「溶接工程を中心としたデジタルソリューション」
パナソニックスマートファクトリーソリューションズ(株) 高橋 利英 氏

(2)2019年度第2回委員会(拡大幹事会:見学会) 2020年11月13日(金) 国立研究開発法人 海上・港湾・航空技術研究所 海上技術安全研究所にて
研究所の紹介DVDの視聴の後、2つの大型水槽(海洋構造物試験水槽、実海域再現水槽)および各研究棟にて様々な実験施設・設備を見学した。
その後、下記の3件のご講演を拝聴した。
講演①「海技研における溶接構造試験体をもちいた研究事例紹介」 穴井 陽祐 氏
講演②「品質工学を活用したハイブリッド溶接の溶接条件導出実験」 津村 秀一 氏
講演③「構造用接着剤のこれまでの経緯と今後の展開」 岩田 知明 氏
以上

2019年度事業報告(2020.4.1)

 本年度は2回の委員会を開催した。
 第1回(拡大幹事会)は今年で6回目となるシンポジウム「第6回 溶接・接合プロセス研究委員会シンポジウム 自動車産業における最新の接合技術Ⅱ~次世代自動車とその製造技術における材料,接合技術の展望~」を開催した。
 第2回(拡大幹事会)は株式会社北熱と富山県産業技術研究開発センターの見学会を行った。これらにより、溶接・接合プロセスと加工・接合部の材料解析技術に関して最新の情報を共有すると共に、各分野のトップクラスの研究者を交えて、現状の課題と今後の発展の方向性について討論、意見交換を行った。
 第3回(本委員会)は新型コロナウイルス感染症に対応するため中止となった。

1.委員会・シンポジウム

(1)第1回拡大幹事会・シンポジウム
[2019年7月26日(金)(一社)日本溶接協会 溶接会館にて]
第6回シンポジウム「自動車産業における最新の接合技術Ⅱ~次世代自動車とその製造技術における材料,接合技術の展望~」

①「“もっといいクルマづくり”を支える最新の接合技術」トヨタ自動車 杉野 弘宣 氏
②「自動車の軽量化とモノづくりの動向」日産自動車 南部 俊和 氏
③「自動車軽量化に寄与する高強度薄鋼板の進歩と展望」JFEスチール 占部 俊明 氏
④「展伸用アルミニウム合金による自動車の軽量化技術」神戸製鋼所 櫻井 健夫 氏
⑤「自動車産業におけるアーク溶接技術の動向と展望」ダイヘン 恵良 哲生 氏
⑥「自動車産業におけるスポット溶接技術の開発の流れと今後の展開」ナ・デックスプロダクツ 西脇 由紀男 氏
⑦「摩擦攪拌点接合の次世代自動車への適用可能性」川崎重工業 小林 良崇 氏

(2)第2回拡大幹事会
[2019年12月13日(金)(株)北熱・富山県産業技術研究開発センターにて]
・(株)北熱
政社長はじめ同社の技術者から表面処理技術(主に、窒化処理とPVDコーティング)について紹介があった。同社の取り組みに関するご説明の後,技術開発が行われているパイロット工場と実際の窒化処理やコーティングが行われている工場を見学した。
・富山県産業技術研究開発センター
以下講演後,同センターの,材料研究から製品試作,機能評価まで製品化に必要な一連の新製品開発のために高度な技術支援が行われている施設・設備を見学した。

講演:
・「富山県産業技術研究開発センターおよび富山県の地場産業について」
富山県新世紀産業機構 イノベーション推進センター 次長 冨田 正吾 氏

・「ACサーボプレスを用いた異材鍛接」
・「パンチングによるCFRTP(熱可塑性炭素繊維強化樹脂)と金属の異材接合)」
富山県産業技術研究開発センター ものづくり研究開発センター 主任研究員 山岸英樹氏

以上

2018年度事業報告(2019.4.1)

 年度は3回の委員会を開催した。
 第1回は、東京電力神流川発電所の見学会を行った。
 第2回は、今年で5回目となるシンポジウム「第5回 溶接・接合プロセス研究委員会シンポジウム 自動車産業における最新の接合技術」を開催した。これらにより、溶接・接合プロセスと加工・接合部の材料解析技術に関して最新の情報を共有すると共に、各分野のトップクラスの研究者を交えて、現状の課題と今後の発展の方向性について討論、意見交換を行った。

1.幹事会(第1回)2018年6月22日(木)

・東京電力 神流川発電所見学(群馬県)
・ホテル磯部ガーデン 会議室(群馬県)
≪神流川(かんながわ)発電所概要≫
 神流川発電所は長野県の南相木ダムを上部ダムとし、群馬県の利根川水系神流川の最上流部に下部ダムである上野ダムを持つ、落差653mで単機出力47万kWの世界最大級の揚水式発電所であり、現在2号機までが運転しており、今後6号機までの完成が待たれている(最大出力282万kW)。揚水発電は夜間の余剰電力にて上部ダムへ水をくみ上げ、昼間の需要の多いときに水を落として発電する方式であり、急激な電力消費量の変化に数分で対応できる。この大きな落差に耐えうるように使用されている水圧鉄管(ペンストック)には下流部の高水圧部に日本で初めて超高張力鋼板であるHT980鋼(引張強さ100kgf/m㎡)が使用された。
(記 大井氏)

東京電力 神流川発電所見学(2018.6.22)

2.拡大幹事会(第2回):2018年11月13日(火)

於:日本溶接協会 溶接会館
委員会: 同日同会場ホール 第5回シンポジウム 自動車産業における最新の接合技術
1) 「青色半導体レーザによる接合加工の新展開」 大阪大学 接合科学研究所 教授 塚本 雅裕 氏
≪概要≫
近年,自動運転電気自動車の開発が進められ,当該自動車に使用される高性能小型モーターおよび大容量小型バッテリーの構成材料である純銅の接合加工技術の高度化が求められている。本講演では,純銅の接合加工に優位性のある青色半導体レーザの高出力化開発および適用事例について紹介する。(記 塚本氏)
2) 「自動車車体に於ける最新の接着技術」 東京工業大学 科学技術創成研究院 佐藤 千明 氏
≪概要≫
接着接合は,異材接合が容易なため,マルチマテリアル車体に於ける主要な接合手法になると予想される.その一方,耐久性や強度の評価が難しく,十分に適用されていないのが実情である.本講演では,自動車車体向けの,最新の接着技術に関して紹介する.(記 佐藤氏)
3) 「塑性変形を利用した機械的接合技術」 豊橋技術科学大学 機械工学系 森 謙一郎 氏
≪概要≫
自動車の車体を塑性変形を利用して機械的に接合するセルフピアシングリベット,メカニカルクリンチング,ヘミング加工など説明する.機械的接合であるため,マルチマテリアル化に対応できる.(記 森氏)
4) 「自動車のマルチマテリアル化と異材接合技術」 マツダ㈱ 技術研究所 主幹研究員 杉本 幸弘 氏
≪概要≫
マルチマテリアル車体の実現には異種材料からなる複数の部材を組み付けるための接合技術が不可欠 である。本講ではNEDO 委託事業の研究テーマであるアルミニウムと異種材料(鋼板,CFRP)の点接合技術の概要を報告する。(記 杉本氏)
5) 「車体へのレーザ溶接適用と品質保証」 日産自動車㈱ 生産技術研究開発センター 樽井 大志 氏
≪概要≫
日産自動車における車体へのレーザ溶接適用事例を紹介する.非接触加工であるレーザ溶接は部品の精度変化に起因する継手隙間の影響を受けやすい.本報では全数インライン品質保証の取り組みについて紹介する.(記 樽井氏)
6) 「レーザ溶接によるいいクルマづくり」 トヨタ自動車㈱ MSボデー生技部技術統括室 小倉 修平 氏
≪概要≫
トヨタ自動車では,近年進化が著しいレーザ溶接によるいいクルマづくりを進めている。鋼板だけでなくアルミニウム接合でも採用が進んでおり,本報告ではToyota New Global Architectureで採用した最新のレーザ溶接技術を紹介する。(記 小倉氏)

3.本委員会(第3回) 2019年3月13日(水)

於:日本溶接協会 溶接会館
1) 「レーザ超音波法による溶接インプロセスモニタリング」
東芝エネルギーシステムズ㈱ エネルギーシステム技術開発センター 星 岳志 氏
≪概要≫
レーザ超音波を用いた溶接インプロセスモニタリング技術開発の成果、今後の展望について紹介する。高温状態の溶接部を施工中に非接触で検査する溶接インプロセス検査技術の実用化、溶融池形状をその場で計測する技術の開発など、溶接プロセス改善や溶接品質向上への貢献という視点で、これまでの成果を発表する。また、レーザ超音波検査の適用範囲拡大に向けて現在進めている装置の可搬化やロバスト化に対する取り組みについても紹介する。(記 星氏)
2) 「超音波探傷試験の最近の動向」 非破壊検査㈱ 技術本部安全工学研究所 松原 重行 氏
≪概要≫
試験体内部のきずや底面などから反射して戻ってきたパルス状の超音波をエコー(やまびこ)と呼び、このエコーの往復に費やした時間と、超音波探傷器の表示器に表れたエコー高さから、きずの位置と寸法を測定する。この探傷方法は超音波パルス反射法と呼ばれ、溶接部の超音波探傷試験に用いられている。本講演では、試験体内部のきずを検出するパルス反射法の基本的な事項について概説すると共に、超音波を利用した最新の試験技術について紹介する。(記 松原氏)
3) 「放射線透過試験の最近の動向」 ポニー工業㈱ 技術本部 松田 淳 氏
≪概要≫
試験体内部のきずの検出や内部構造を特定する手法として、放射線透過試験、超音波探傷試験等がある。本稿では放射線(電磁波)を利用した放射線透過試験の基本的な原理を説明し、最近のIT技術の目覚ましい発展に伴い、従来手法のX線フイルム法(アナログ・ラジオグラフィ)から、フィルムレス・暗室レスのデジタル法(デジタル・ラジオグラフィ)に技術も進歩し移りつつある。 これらのデジタル法についても紹介する。(記 松田氏)
以上

2017年度事業報告(2018.4.1)

 本年度は3回の委員会を開催した。第1回はJX喜入石油基地(株)の見学会を行った。第2回は今年で4回目となるシンポジウム「第4回 溶接・接合プロセス研究委員会シンポジウム ~摩擦および超音波による新しい接合技術~」を開催した。これらにより、溶接・接合プロセスと加工・接合部の材料解析技術に関して最新の情報を共有すると共に、各分野のトップクラスの研究者を交えて、現状の課題と今後の発展の方向性について討論、意見交換を行った。

1.講演会

(1)平成29年度第1回委員会 平成29年6月15日(木)  JX喜入石油基地(株)にて
「地上式LNGタンクの経年変化調査」
(株)IHI 山岡 弘人 氏
≪概要≫
大阪ガス(株)泉北製造所第1工場において40年間稼働してきたLNGタンクの撤去に際し、(株)IHIにより実施された各部の調査結果について紹介された。撤去されたLNGタンクは、我が国において最も古い年代に建設されたものであり、初の撤去事例となったことが報告された。また、撤去調査の事例がほとんどなかったため、タンクの構造や材料、施工、運用等を考慮して、タンク全般に渡る多種多様な項目に関して調査が実施された。調査の結果、内槽材料である9%Ni鋼、AL合金の母材や継手部が経年変化していなかったこと、外槽・基礎・保冷材・計装品にも目立った劣化がみられず、LNGタンクとして高い信頼性を維持していたことが報告された。(記 山岡氏)

(2)平成29年度第2回委員会 平成29年11月17日(金) (社)日本溶接協会 溶接会館にて
第4回 溶接・接合プロセス研究委員会シンポジウム ~摩擦および超音波による新しい接合技術~

「異種金属の超音波接合部におけるミクロ組織形成過程」
東北大学大学院工学研究科 藤井 啓道 氏
≪概要≫
超音波接合は、超音波振動により生じる摩擦や塑性変形発熱を利用した固相接合技術である。この技術では、異種金属間の接合も比較的容易に達成されることから、工業製品の小型化・軽量化を実現する強力なツールとなることが期待されている。本講演では、異種金属の超音波接合部におけるミクロ組織形成過程ついて紹介する。 (記 藤井氏)

「超音波接合における相対運動と接合部の拡大機構」
新潟大学大学院 自然科学研究科 佐々木 朋裕 氏
≪概要≫
超音波接合において被接合材同士や接合工具との間に生じる相対運動挙動に注目し、接合界面の摩擦条件や接合工具の表面形状の違いが接合部の形成過程に及ぼす影響について述べる。 (記 佐々木氏)

「航空エンジン部品へのLFW技術の適用検討」
株式会社IHI 根﨑 孝二 氏
≪概要≫
航空エンジンでは、翼とディスクをLFWにより一体化したブリスクを採用する事例が増えている。本講演では、接合による組織の変化や継手の機械的特性、実物大ブリスクの試作結果について報告する。 (記 根﨑氏)

「アルミニウムにおける高周波線形摩擦接合技術」
日本軽金属株式会社 吉田 諒 氏
≪概要≫
線形摩擦接合(Linear Friction Welding )は部材を線形摩擦して接合する固相接合技術であり、チタン合金や炭素鋼等を主な対象として適用が進んでいる。本件では特にアルミニウムを対象とした線形摩擦接合技術の概要や適用例について紹介する。 (記 吉田氏)

「異種材料のFSWおよびFSSW」
岐阜大学 柿内 利文 氏
≪概要≫
Al合金、Mg合金、鉄鋼材料の異種金属の板材を摩擦撹拌接合(FSW)および摩擦撹拌スポット接合(FSSW)によって接合した継手を対象として、その機械的性質や疲労特性を調査した結果を報告する。 (記 柿内氏)

「FSPによる鋼溶接部表面改質と機械的特性改善の関係」
大阪大学 接合科学研究所 伊藤 和博 氏
鋼溶接部の疲労強度増加には、ピーニングによる圧縮残留応力の付与が一般的である。摩擦攪拌プロセス(FSP)は、引張残留応力低減や圧縮残留応力付与に加えて、鋼溶接部表層組織を微細化・強化できる。FSPにより改質された鋼組織と機械的特性の関係、その関係が強調される鋼強度(組織)について紹介する。 (記 伊藤氏)

(2)平成29年度第3回委員会 平成29年3月6日(火) (社)日本溶接協会 溶接会館にて
「大出力レーザによる溶接とその動向」
大阪大学 片山 聖二 氏
≪概要≫
大出力レーザ溶接に関連して、まず、高輝度レーザ溶接時の溶込み特性、ポロシティ、スパッタの生成と溶接現象について紹介し、高パワーレーザの2ビーム重畳による溶接時の溶込み特性と溶接現象、2ビームの重畳の効果、低真空中における溶込み特性とポロシティの防止などを紹介する。さらに、100kWファイバーレーザによる溶込み特性や溶接現象の観察結果も紹介する。(記 片山氏)

「高出力ファイバーレーザの最新動向」
IPGフォトニクスジャパン㈱ 菊地 淳史 氏
≪概要≫
高出力ファイバーレーザは、ここ数年で飛躍的な販売実績を記録している。溶接用途や切断用途の発振器で圧倒的なシェアを持つIPG Photonics社の紹介、および高出力ファイバーレーザの最新動向、適用例を紹介する。(記 菊地氏)

「高出力半導体レーザとホットワイヤ法とを組み合わせた各種溶接技術」
広島大学 山本 元道 氏
≪概要≫
主電源と独立して溶着量を制御できるホットワイヤ法を、制御性の高い高出力半導体レーザ熱源と組み合わせることによって、高速・高能率施工の実現のみならず、施工(ギャップ)裕度の向上、溶接金属特性制御、ビード形状制御、各種強度向上なども実現可能となる。本報では、主に、ホットワイヤ法と高出力半導体レーザとを組み合わせた厚鋼板立向き溶接技術および作製した継手の特性評価結果について報告する。(記 山本氏)

2.見学会

平成29年度第1回委員会 平成29年6月15日(木)  JX喜入石油基地(株)にて