2025年度事業報告

1.本委員会

2025/6、2025/10、2026/3の3回にわたり本委員会を開催し、委員会議事の検討・承認および3.の技術講演会・見学会を実施した。また、第2回委員会は厚板向けの最適ロボット溶接施工技術開発プロジェクトとの合同委員会とし、併せて見学会を実施した。

2.プロジェクト研究活動

2.1  知的情報処理制御・システム化技術検討プロジェクト(主査:金子裕良)

HDR機能を持つCMOSカメラなどが溶接現象の観察などに用いられてきている。そこで、これらのセンサ類の溶接ロボットへの適用状況の調査を行った。具体的には、溶接溶融現象の観察および画像処理など知的センシングする方法および、深層学習に基づく画像処理方法などについての情報収集および適用可能性を調査した。

2.2  厚板向けの最適ロボット施工技術開発プロジェクト(主査:中込忠男)

2.2.1 鉄骨溶接ロボット施工時の溶接欠陥の現状調査と対策案の構築

ファブリーケータ3社でこれまで行ってきたロボット溶接と半自動溶接での溶接欠陥の発生状況に関して収集したデータをまとめた結果について比較検討し、ロボット溶接使用時の溶接部の溶接欠陥の発生要因について議論し、それらの現状把握を行った。

2.2.2 組立て溶接に使用する溶接材料が完全溶込み溶接の機械的性質に及ぼす影響

母材に建築構造用の高強度鋼を使用した完全溶込み溶接部において、開先内に組立て溶接を行う場合に溶接材料が及ぼす溶接金属部の機械的性質並びに割れ発生性状への影響について、550N/㎟級鋼を対象に行った溶接施工試験の実験結果の分析を引き続き進め、投稿論文などにその成果をまとめる予定である。

2.2.3 角形鋼管柱溶接のパス間温度の管理手法の検討

パス間温度を測定するためのBCP角形鋼管柱とダイアフラム接合部の溶接施工実験と機械試験を行い、得られた温度履歴を分析し、「ロボット溶接における角形鋼管のパス間温度測定に関する研究(その1 溶接施工試験)」と題して日本建築学会大会にその成果を発表した。引き続き、機械試験と温度履歴結果について分析を行い、角形鋼管を溶接ロボットで溶接施工する際の溶接部の力学的性能を担保するための、入熱・パス間温度の管理手法について検討を行った。

2.2.4 鉄骨溶接ロボットの分野開拓

これまで様々な溶接ロボットシステムが開発され、コラム・仕口等に広く適用されており、今後さらなるロボットの活用が期待されている。前年度本委員会特別講演「柱製造ラインの構築と新たな取り組み」に関連して実施した鉄骨製作工場見学会を通して情報収集を行った。

また、過去2回、建築鉄骨ロボットに関するアンケート調査を行っており、直近の調査後10年近く経過していることから、定期的な動向やニーズの把握などを目的とし、同様のアンケート調査を実施するための検討を開始した。

3.技術講演会及び見学会

3.1   技術講演会 

3.1.1 第1回本委員会

      特別講演①「JETプロセスシステム」

                  パナソニックコネクト株式会社     福光 洋一 氏

      特別講演②「溶接前後工程の自動化への取り組み」

株式会社ダイヘン     澤井 明雄 氏

3.1.2 第2回本委員会

技術講演会は開催されなかった。

3.1.3 第3回本委員会

      特別講演①「Physical AI : ロボットへの応用とその実用例」

        埼玉大学 大学院 理工学研究科 博士後期課程  大石 涼雅 氏

      特別講演②「20kWリングモード対応レーザー溶接ロボット」

        株式会社安川電機  関山 友之 氏

3.2   見学会

2025年度は川田工業株式会社 栃木工場(栃木県大田原市)を訪問し、同社における自動化された鉄骨4面ボックス柱製造ライン等を見学した。参加者は16名であった。