2024年度 現場に役立つろう付技術講習会 開催のご案内

 ろう付技術は航空・宇宙、電気・電子、自動車、機械などの多くの産業分野で活躍し、また、装飾品や雑貨などの日常生活品の製作にも広く使用されています。これは、他の接合技術の適用が困難な材料や形状に対して非常に適した技術であり、かつ、精密接合や大量生産を可能にする等の多くの利点を有しているためです。当協会のろう部会では、ろう付技術の向上並びに啓発のために 『わかりやすいろう付技術』 を主題に、既に86回の講習会を開催しております。
  これまで頂いたご意見などを参考にして、今回の講習会では、基礎として「ろう付の基礎と継手の特性」 及び「実際のろう付作業のコツ」を講義します。次に、応用として、「バーナーろう付の自動化」、「アルミニウムのろう付」、「ステンレス鋼のろう付」についての講義を企画いたしました。また、以前から要望を頂いていた「ろう付部の検査」を可能な範囲で実例紹介を取り込みながら、「ろう付部品の評価方法とろう付業界における規格の動向」として講義いたします。また、講習会の最後に、個別質疑の時間を設けて技術相談をお受けいたします。なお、一件当たりの質問時間は最大10分間とさせて頂きました。

 本年度も、東京での開催に加えて、中部地区の受講者の便宜を図る為、名古屋での開催を企画いたしました。ろう付技術に携わっておられる作業者・技術者・管理者の方々に多数ご参加いただきますようご案内申し上げます。

1)講習会開催地区(日程・会場・定員)

中部地区(第87回)

開催日:2024年10月4日(金)【受付:9:00】

会 場:名古屋国際会議場 3階2号館 234会議室

             〒456-0036 名古屋市熱田区西町1番1号

             定員:90名(定員になり次第締切)

東京地区(第88回)
開催日:2024年12月6日(金)【受付:9:00】 
会   場:溶接会館 2階ホール        

    〒101-0025 東京都千代田区神田佐久間町4-20
      定  員:90名(定員になり次第締切)

2)受講料

一般:24,000円(消費税込)会員:18,000円(消費税込)

※日本溶接協会及び指定機関の会員会社、ろう部会、先端材料接合委員会、ぶれいず広告掲載会社  並びにぶれいず友の会会員(登録者)は割引料金18,000円(消費税込)

※日本溶接協会会員 →https://www.jwes.or.jp/about/membership/

※指定機関        →https://www.jwes.or.jp/about/office/partner/

3)講師・講演内容

【ろう付の基礎と継手の特性】 国立大学法人新潟大学名誉教授  渡辺 健彦 氏
ろう付によって、同種・異種の金属あるいはセラミックスなどの接合ができる。最初に、ろう付に関連する幾つかの用語を簡単に説明した後、ろう付の仕組みについて科学的な観点から説明する。続いて、ろう付の特徴や各種ろう材について言及する。また、ろう付継手の特性や強さやそれらに及ぼす影響因子および各種材料のろう付について述べる。
【実際のろう付技術のコツ】東京ブレイズ(株)  寺田 亮一 氏
実際にろう付作業を行うにあたり、適正なろう付を行うためには何を知っていなければならないか『ろう付の5要素』を基本に説明する。また、実際のろう付工程においてどのような注意点があるのかなど、“実際のろう付作業のコツ”について具体例を用いて解説する。
【バーナーろう付の自動化】(株)大進工業研究所  髙橋 稔 氏
金属接合の一つとして利用されているバーナー(トーチ)ろう付。
この自動化を考える場合に必要な要素とその対処法、その可能性について実例をもとに解説する。
【アルミニウムのろう付技術】ナイス(株) 山本 敬晃 氏
アルミニウムは構造物の軽量化が図れ、耐食性が高く、熱伝導性がよい材料である為、様々な業種において使用されている。これまで空調設備に使用されている熱交換器の材料は銅が一般的であったが、資源面・価格面においてアルミニウムの優位性が認められ、材料変更が盛んに行われている。しかしながら、ろう付においては、不利な特性も併せ持っているため、特性をよく理解したうえで製品のアルミニウム化を検討していく必要がある。本講演ではアルミニウムろう付時の注意点、フラックス及びろう材の種類、ろう付品の失敗事例と対策、アルミニウムろう付の要点がわかる動画を交えながら解説する。
【ステンレス鋼のろう付技術】学校法人東海大学 宮沢 靖幸 氏
ステンレス鋼の応用範囲は、厨房機器から自動車用EGRクーラーまで多岐にわたっている。従って、ステンレス鋼のろう付では、多様な継手の要求性能を満たすためのろう材選定やろう付プロセスの管理が重要である。
そこで、ステンレス鋼やステンレス鋼用ろう材について概説し、Ni系ろう材によるステンレス鋼のろう付プロセスを説明する。説明では、ステンレス鋼ろう付プロセスで注意すべき点や現状と今後の展望などを紹介する。また、ステンレス鋼のろう付では、ろう付部の金属組織が継手性能に強く影響を及ぼす事が判っていることから、冶金学的な組織解析や分析解析手法などについても説明する。
ろう付部品の評価方法とろう付業界における規格の動向】 東京ブレイズ(株) 松 康太郎 氏
製品を次工程に送り出す際に検査を行い評価する必要がある。ろう付部品に関しても同じことであるが、良否の判定は何をどこまで行えばよいのか判断が難しいところがある。基本的にろう付部品はISO9001(JIS Q 9001)では「特殊工程」と呼ばれ、プロセスの妥当性により品質が保証される。しかし、気密性の検査やろう付欠陥などは外観目視検査以外に測定機器を利用することで評価を行うこともできる。本講演では実際の現場ではどのようにろう付部品の評価を行っているかを紹介する。また、後半ではろう付業界の規格についての動向を紹介する。近年ISOでろう付に関わる規格が改訂され、それに伴うJIS規格化が進んでいる。それら最新の情報を紹介する。

4)申込要領他

①受講のお申込みは、オンラインにて受付致しております。
下記URLに当協会で開催されますシンポジウム、講習会の一覧が表示されます。
「現場に役立つろう付技術講習会」ご希望の受講地「中部地区および東京地区」を選択し、申込情報をご入力下さい。
https://www-it.jwes.or.jp/seminar/
②お申込後、”受講確定メール”が配信されます。同メールには、受講番号、受講料お振込先、請求書・領収書各種ご依頼情報についてご案内いたします。
③納入された受講料は返却致しません(代理出席可能)
④本講習会の資料は当日会場受付でお渡しいたします。ただし、後援で使用したデータ提供はいたしません。
⑤「新型コロナウイルス」が感染症法上5類へ移行するのに伴い、当委員会は新型コロナウイルス感染予防のためのガイドラインを見直しとなりました「現場に役立つろう付技術講習会における新型コロナウイルス対策の見直しのお知らせ」をご確認の上、お申込み下さい。
※詳細は下記パンフレット(PDF)をご参照下さい。

パンフレットをダウロード

お申込みはこちらから

 

5)申込締切日

・中部地区  9月13日(金)
・東京地区  11月15日(金)
ただし、両会場とも定員に達し次第締め切りと致します

副読本ご購入のご案内

本講習会の講師でもございます国立大学法人新潟大学 名誉教授 渡辺健彦先生著書「ろう接の基礎と応用」を販売致します。一般価格は3,300円ですが、本講習会と同時にお申込みいただきますと2,300円でご購入出来ます。ぜひこの機会にご購入下さい。

ご購入はこちらから
http://www-it.jwes.or.jp/bshop/iblist.jsp?ky
文献オンラインより、キーワード検索にて「ろう接の基礎と応用」と入力して下さい。
ご購入の際は、講習会受講の旨を備考欄へご記載下さい。記載がございませんと一般価格となります。

ぶれいず友の会入会のご案内

ぶれいず友の会にご入会いただくと、今回の講習会受講料は 会員料金の18,000円となります。ぶれいず友の会詳細については、下記URLよりご確認下さい。
https://www.jwes.or.jp/committees/brazing/membership/

同時申込みの際は、下記申込書をご記載の上 FAXにて(03-5823-5244)ご送付お願いします。
ぶれいず友の会申込書

お知らせ

2019年度の講習会より修了証をお渡しすることと致しました。講習会終了時にお渡しさせていただきます。