本委員会は、化学機械・プラント圧力設備分野の溶接・加工技術に関する調査と研究を行い、その活動成果を活用して同分野の溶接接合品質の維持・向上を図り、併せて次世代の技術者・研究者の人材育成を図ることを目的に活動している。

 2023年度の事業計画を以下に示す。主な事業として、WES 2820(圧力設備の供用適性評価方法―減肉評価)の改正、二相ステンレス鋼溶接ガイドラインの一般公開などを計画している。

1.本委員会活動

 化学機械・圧力設備の溶接・加工、維持・管理などに関した以下の7テーマを中心に、本委員会を年4回開催する。開催予定は、第305回委員会:6月、第306回委員会:9月、第307回委員会:12月、第308回委員会:3月(2024)である。

  1. 溶接・加工技術に関する調査と研究
  2. 損傷・劣化事例の調査とその防止に関する研究
  3. 供用適性評価手法及び寿命診断・保全技術に関する調査と研究
  4. 溶接補修指針の整備と拡充、及び溶接補修WESの適用普及
  5. IoT、AIなどの省人化・合理化技術の調査と研究
  6. 関係法規・国内外規格の調査・検討
  7. 圧力設備の製作・保全技術の海外規格化の情報収集と当委員会の技術研究成果、規格の海外展開

2.合同委員会

 上記4回の委員会の内、第307回の委員会は機械部会 パイプライン小委員会との合同委員会として開催する。

3.見学会

 第306回又は第307回の委員会は、新型コロナウィルスの感染収束状況に応じて、見学会を併設して行うことを予定している。

4.小委員会及びWG活動

4.1 N2バックシールド適用評価合同小委員会

 溶接材料部会との合同で、ステンレス鋼のティグ片面溶接で一般的に用いられているArガスに代わり、N2ガスの適用性を評価することを目的とした小委員会を2022年度に発足させた。2023年度は、配管溶接におけるArおよびN2ガスの置換特性の評価を行うとともに、N2バックシールド適用指針を作成する。

次の7つのWG活動を行う。

4.2 WG活動

1) 委員会運営WG

 本委員会の将来ビジョンの構築、活動テーマの探索、講演話題の調査・分析、国際活動などを目的とした委員会運営・将来展開に関する検討を行う。

2) DSSガイドライン出版WG

 2017年のシンポジウムテキスト「二相ステンレス鋼の溶接ガイドライン」から、溶接施工上の主要留意事項を抜き出し、技術的な補足説明を加えた「新版」ガイドラインを一般公開する。「新版」ガイドラインは、A5版ハードカバー書籍として販売を予定している。

3) WES 2820改正WG

 2015年に発行したWES 2820(圧力設備の供用適性評価方法−減肉評価)が定期見直しを迎えたことに伴い、改正に向けた諸検討を行うWGを2020年度に発足させた。WGでは、最近の国内外の類似規格との比較検討、有用な最新知見の取込み、適用例題の充実(付属書として)など、本規格の利便性向上を図っている。本年度は改正原案ドラフトを脱稿し、改正原案作成委員会の発足につなげる。

4) 溶接補修WG

 「プラント圧力設備の溶接補修指針」の改訂について、WES 7700規格群に基づく整備と信頼性を高めるための追加調査などによる拡充を行っている。本指針の改訂ドラフトを作成するとともに、現行のWES 7700規格群の続編規格について画策する。

5) JPI-8R-16対応WG

 高圧ガス保安協会規格KHK S 0851、附属書14に引用されている石油学会規格JPI-8R-16(溶接補修)は2009年に発行され、その後、改訂されているが、WES 7700規格群に比べて内容が古く、不適切と考えられる内容もある。そこで、本WGを新たに立ち上げ、WES 7700規格群と内容を比較調査し、石油連盟/石油学会への改訂案を策定する。

6) 海外活動WG

 圧力設備関連技術の海外展開を組織的に進めるため、2020年度に新たに本WGを発足させた。圧力設備の製作技術、維持・保全技術に関する海外規格の情報収集と、本委員会の活動成果(技術研究成果、規格・ガイドラインなど)の海外展開により、我が国の化学機械分野に有益な情報提供を図るとともに、国際規格化を促進する。

7) 情報化WG

 本委員会のこれまでの発表資料を整理・分析し、溶接情報センターへ提供可能なアーカイブ化コンテンツ検討を行う。この成果は,本委員会の将来活動展開に役立てる。

5.他学会との連携

 溶接学会 溶接構造研究委員会が主催する溶接構造シンポジウム2023において,化学機械特別セッションを企画し、時宜にかなったテーマに沿う技術発表をオーガナイズする。

 以上の活動及び情報発信により,化学機械・プラント圧力設備分野への社会貢献と,同分野の次世代の技術者・研究者の人材育成を図る。