1 委員会について

1-1 委員会設立の趣意

最近の技術革新の速度は極めて速く、なかでも金属材料などの表面改質・表面コーティングの技術は、新素材、新複合材料の開発という時代の要求に合致していることから、急速に広い分野で注目され進展してきております。
この材料の表面改質・表面コーティング技術のなかで、各種PVD(物理蒸着)、CVD(化学蒸着)、表面拡散浸透処理(イオン窒化、浸炭、硼化などを含む)、合金化処理(アロイング)、肉盛被覆処理、複合メッキ処理(セラミックス混合法)ならびに焼入れ処理などは、新しい熱源であるレーザ、プラズマ、電子ビーム、特殊アーク、火災、およびイオン注入やイオンミキシング法、さらにHIPやCIPなどの技術を利用し急速に多分野で広く活発に実用化されつつあります。
そのうちでも、とくに材料の表面に、より耐磨耗、耐食、耐熱、その他特殊目的の薄膜、中厚膜および厚膜を形成させ、新機能を発展させようとする技術はとくに日進月歩の感が強く,日本ばかりでなく、世界的にも広い角度から注目され、開発ならびに実用化が急ピッチで進んでおります。このことは企業サイドからみるとき、つねにその技術を把握し、その動向に注目しておかねば時流に取り残されてしまう危険性を生ずることになります。
このような理由から、一般社団法人日本溶接協会では、必ずしも従来の溶接技術に直接関係なくても、この表面改質・表面コーティングの技術に注目し、その技術に注目し、その技術革新の流れとその動向をつねにフォローするため、昭和61年4月より特殊材料溶接研究委員会内の一分科会として『 表面改質研究小委員会 』(主査 松田 福久 大阪大学教授:当時)を発足させ、活発に活動して参りました。その結果、昭和63年には参加企業メンバーは58社に達し、その業種も鉄鋼、非鉄、重工、重電、弱電、プラント、自動車、エネルギーおよび熱処理関係メーカーならびにユーザー各社などの幅広い範囲にわたるようになりました。
このように表面改質・表面コーティングの研究、開発、実用化の範囲が極めて広いため、この度、従来の特殊材料溶接研究委員会の一分科会より分離し、独立した『 表面改質技術研究委員会 』を設立し、今後の発展に期待することになりました。
本委員会では、さらに多くの中立機関の研究者などの協力の下に、表面改質・表面コーティングの分野における従来の研究、調査、情報交換の会合(年3回)と新技術の見学会(年1回)のほかに、これらの技術に関するソフトとハード面の文献速報、ニュース情報、共同研究ならびに作業標準などの検討も今後、積極的にその活動に取り組んでいく所存であります。
このように本研究委員会はメンバー各位のご要望に沿った展開を推し進めていきたいと存じておりますが、このためにも当研究委員会へのさらなる多数の各社のご参加を希望する次第です。企業各位におかれましては、この方面の技術に深く関心を持たれている貴社の関係者にご紹介頂き、本研究委員会に御参加下さいますよう、御推奨頂きたく存じます。

1-2 委員会開催概要

開催回数 : 委員会 年3回(5月・10~11月・2月)、見学会(10~11月、2月)
開催場所 : 5月(東京)、10~11月(地方:見学会含む)、2月(大阪) 変更の場合有り
年 会 費  : 70,000円(税別)

問合せ先 :(一社)日本溶接協会 業務部 表面改質技術研究委員会事務局
TEL:03-5823-6324

※委員会入会にあたっては、事前に当協会団体会員への入会申請が必要となります。
※ご入会希望、また活動内容に関するお問い合わせ等ございましたら、事務局までご連絡ください。