第40期をむかえて
平素は当協会の活動に多大なるご支援とご協力を賜り、厚く御礼申し上げます。
さて、当協会は先般、定時総会を開催し、皆様のご協力のもと無事に終了することができました。こうして大過なく新しい期を迎え、新たな一歩を踏み出すことができますのも、会員の皆様をはじめ、大学や研究機関の専門家の皆様、そして日々ものづくりの現場を支えてくださる溶接に関わるすべての皆様の並々ならぬご尽力とご支援の賜物であり、心より深く感謝申し上げます。
現在、世界経済や国際情勢の影響による円安基調を背景に、製造業の国内回帰が一層進展しております。その一方で、生産年齢人口の減少に伴う労働需給の逼迫は一段と厳しさを増しており、人材確保は極めて困難な状況にあります。とりわけ、インフラ老朽化への対応や溶接士不足に伴うプロジェクトの遅延など、溶接分野における人材育成はまさに喫緊の課題です。
このような環境のなか、当協会は今期、総会にてお示しいたしました「人材育成」「国際競争力の強化」「次世代技術」を軸とした事業計画に基づき、以下の重点施策を一つひとつ着実に推進してまいります。
① 人材育成への対応
・多様な人材の確保と活躍推進
小中高生へのアプローチによる若年層の取り込み、「溶接女子」のネットワーク構築による女性活躍の加速、そして育成就労制度を見据えた外国人材の育成に注力します。
・持続可能な教育体制の確立
技能向上講習会の全国拡大や、短期間での資格取得を目指すスキルアップ教育の開発を進めます。
・新拠点の整備
認証・教育・研究を一体的に担う全国の先駆けとして、「北海道溶接センター(仮称)」の設立を推進します。
② 国際競争力の強化
・国際標準化の推進
アジア諸国におけるJIS評価試験のさらなる普及や、モンゴルをはじめとする各国溶接協会との連携による教育・認証事業を通じて、国際的な人材育成に貢献します。
③ 次世代技術への対応
・先端技術の導入とデジタル化
AM(積層造形)技術者1級向け研修会の実施検討や、AI・ヒューマノイドロボット活用を見据えた溶接作業のデジタライゼーションを支援します。
・国際ウエルディングショーの開催
本年9月に東京で開催される同ショーにおいて、より充実したプログラムを展開します。
④ 組織基盤と多角的事業の継続
・産学連携の強化
溶接学会をはじめとする学術界との強固な協力体制による、産業界が必要とするイノベーションの創出。
・調査研究・標準化
ISO・JIS等の規格策定への提案と、Webを通じた成果の迅速な公開。
・確実な認定・認証
公正・中立な要員認証システムの維持と、Web申請の利便性・セキュリティ向上。
・技能伝承と地域支援
10月の「全国溶接技術競技会 北海道地区苫小牧大会」の開催、日本溶接協会賞やマイスター制度の運用、次世代研究者への各種助成事業の継続。
今期掲げました事業計画は、わが国のものづくりの根幹を支える溶接・接合技術の持続可能な発展を目指すための、当協会の道標となるものです。
この計画をしっかりと実行に移し、産業界、学術界、そして現場で活躍される皆様の期待に応える成果を出していくため、新たな期も役職員一丸となって誠実に邁進してまいります。
溶接に携わるすべての皆様におかれましては、今後とも変わらぬご理解とご協力をいただき、より一層のご指導とご鞭撻を賜りますようお願い申し上げます。

一般社団法人日本溶接協会
会長 青山 和浩




