1.概要

 2022年度は4回の委員会(第301回~第304回)を開催した。新型コロナウイルス禍のため見学会及び地方開催は中止とし、溶接会館にてWEB併用での会議開催となった。

2.委員会

 化学機械分野に関わる材料、溶接、検査、劣化・損傷評価、設備保全関連技術などについての調査・研究を委員会事業の柱として運営している。以下の通り、2022年度の委員会での技術発表の概要を示す。

2.1 第301回(2022年6月21日):溶接会館(WEB会議併用)

講演テーマ所  属氏  名
蒸気タービンケーシングの補修溶接施工法に関する研究東京電力ホールディングス(株)中出 且之 氏
補修現場における自動FCAWの適用トーヨーカネツ(株)京野 成利 氏
プラント検査におけるドローンの活用についてテラドローン(株)神取 弘太 氏
ケーススタディ【水素侵食について(第1回)】海外活動WG:日本製鋼所M&E(株) 本間 祐太 氏、住友化学(株) 星加 貴久 氏

2.2 第302回(2022年9月13日):溶接会館(WEB会議併用)

講演テーマ所  属氏  名
リーンおよび汎用二相ステンレス鋼の溶接技術と繰返し溶接補修の影響(株)高田工業所中野 正大 氏
最新の超音波探傷技術FMC/TFMと適用事例ディービー(株)横濱 慎也 氏
ロボティックDRの配管溶接部検査適用事例日揮グローバル(株)森 浩基 氏
ケーススタディ:【水素侵食について(第2回)】海外活動WG:日本製鋼所M&E(株) 本間 祐太 氏、住友化学(株) 星加 貴久 氏

2.3 第303回(2022年12月13日):溶接会館(WEB会議併用)―機械部会との合同委員会

講演テーマ所  属氏  名
中低圧ガス導管による水素輸送技術と課題大阪ガスネットワーク(株)石黒 俊 氏
高マンガンステンレス鋼のTIG溶接時における硫黄含有量が溶け込み深さに及ぼす影響日鉄エンジニアリング(株)木坂 有治 氏
二相ステンレス鋼のHAZでの組織変化の簡便予測大阪大学小川 和博 氏
ケーススタディ:【溶接補修事例について】溶接補修WG:レイズネクスト(株) 津野 和裕 氏、コスモ石油(株) 西村昌記 氏

2.4 第304回(2023年3月14日):溶接会館(WEB会議併用)

講演テーマ所  属氏  名
海外における維持管理補修規格の国際標準化と法体系への取り込み出光興産(株)石崎 陽一 氏
東洋エンジニアリング(株) 永田 聡 氏
重工業系工場の溶接DX住友重機械工業(株)松井 倫太郎 氏
溶接力学シミュレーションとその応用大阪公立大学柴原 正和 氏
委員会活性化の取り組み:【委員の業務及び自己紹介―トライアル】運営 WG:住友化学(株) 星加 氏、(株)IHI 猪瀬 氏、(株)神戸製鋼所 北川氏、東洋エンジニアリング(株) 長島 氏

3.幹事会

 定例幹事会を委員会(第301回から第304回)の開催日の午前中及び2023年1月26日に開催し、委員会の事業企画、小委員会・WG活動、国際活動計画など、委員会の運営について諸検討を行った。また、2023年1月6日に第3回常任幹事会を開催して委員会の中期的な運営方針の検討を行った。

4.小委員会及びWG

4.1 肉盛溶接補修調査研究小委員会(南委員長)

 日本ボイラ協会が厚生労働省より委託を受けた「供用適性評価(FFS)に基づくボイラー等の維持基準検討事業」のうち,「溶接による肉盛補修に関する調査研究」について日本溶接協会が再委託を受け、化学機械溶接研究委員会の傘下に、ファブリケータ、ユーザ、エンジニアリング、メンテナンス及び材料メーカの12名で構成される肉盛溶接補修調査研究小委員会を設置し、2022年5月〜10月で6回の小委員会を実施した。労働安全衛生法で規制されるボイラー及び圧力容器の減肉に対する肉盛溶接補修について、①国内外の関連法規・規格での肉盛溶接補修の取扱いと実施状況、②肉盛溶接補修を行う場合の要件(適用範囲、施工条件、試験・検査方法等)について調査研究結果をとりまとめ、日本ボイラ協会に報告書を提出した。

4.2 N2バックシールド適用評価合同小委員会(長島委員長)

 溶接材料部会との合同で、ステンレス鋼のティグ片面溶接で一般的に用いられているArガスに代わり、N2ガスの適用性を評価することを目的とした小委員会を2022年度に発足させた。2022年度は文献レビュー、試験体の作製と溶接作業性(溶接士による官能性)評価、作製した継手の評価試験等を実施した。また、2023年度に予定している置換特性評価(実験と流体解析との両面から検証予定)及び指針作成(文献・規格調査結果、試験結果に加え、適用上の留意点も盛り込む予定)に向けた準備作業にも着手した。

4.3 圧力設備の溶接設計施工テキスト講習会検討WG(渡邉主査)

 2021年度のテキスト作成を目的とした小委員会活動を終了し、テキストを用いた講習会開催を検討するWGとして立ち上げた。2022年度はWGを4回開催し、全8章約240頁からなる「圧力設備の溶接設計施工テキスト」の初版を2022年10月に発刊した。2023年3月8日に本テキストを用いた講習会を開催し、約80名の受講者が参加した。

4.4 運営WG(高橋主査)

 2022年度はWGを4回開催し、主に委員会の将来ビジョンの検討及び活動テーマの探索を活動とした。委員会における通常の講演発表のスタイルに加え、技術的に深堀すべきテーマを検討し、討議の場としてケーススタディを企画するとともに、委員会活性化のために所属委員の業務および自己紹介を企画した。

4.5 溶接補修WG(津野主査)

 2022年度は、昨年度に引き続き、「プラント圧力設備溶接補修指針」(CP-0902)の改正に取り組み、第4章(劣化損傷と溶接補修)までの改正案の審議が終了し読み合せに入った。残る第5章の法規・規格関連の見直しに着手した。

4.6 DSS溶接ガイドライン出版WG(岩本主査)

 2017年に発行した「二相ステンレス鋼の溶接施工ガイドライン」(CP-1701)から、溶接施工上の主要留意事項を抜き出し、技術的な補足説明を加えた「新版」ガイドラインを執筆し、8回の読み合わせを行った。

4.7 WES 2820改正WG(戒田主査)

 2022年度はWGを5回開催し、昨年度に引き続きWES2820改正案の検討等を実施した。主な活動は以下のとおりであった。

  • API 579-1/ASME FFS-1(2021)のレビュー、及び改正点のWES 2820への反映検討
  • 局部減肉評価の適用範囲拡大検討、及びFEMシミュレーションの実施(構造不連続部の局部減肉評価)
  • 欧州(英国)におけるFFS及び補修規格の、法体系下での位置付けに関する調査
  • 国際会議でのWES 2820概要紹介(IIW2022年次大会、2022年7月東京開催)

4.8 海外活動WG(戒田主査)

 2022年度はWGを2回開催し、圧力設備技術に関わるASME、API等の情報を共有し、本委員会の海外活動への展開について議論した。

  • APIで検討されている水素侵食評価について、運営WGと共同で海外動向及び国内事例を取りまとめ、本委員会でのケーススタディとして2回に分けて紹介した。
  • 局部減肉評価の適用範囲拡大検討、及びFEMシミュレーションの実施(構造不連続部の局部減肉評価)
  • 国際会議における当委員会の活動のアピールとして、IIW2022年次大会において、WES 2820改正及び二相ステンレス鋼ガイドラインの紹介を行った。

4.9 情報化WG(松下主査)

 本委員会のこれまでの発表資料を整理・分析し、溶接情報センターへ提供可能なアーカイブ化コンテンツの検討を行った。この成果は、本委員会の将来活動展開に役立てることを決定した。