1.概要

 2025年度は4回の委員会(第313回~第316回)を開催した。

 そのうち、第314回は委員会の地方開催としての愛媛開催と(株)新来島どっく 本社・大西工場の見学会(写真1)とを併設した。第315回は機械部会(JIW 第XI委員会)とパイプライン小委員会との合同委員会を開催した。2025年度は退会2社及び入会2社があり、会員数は46企業・団体となっている。

2.委員会

 化学機械分野の機器製作に関わる材料、溶接、試験・検査、供用中の劣化損傷の評価及び設備保全技術などの調査・研究を事業の柱として運営している。2025年度の委員会における技術発表の概要を、以下に示す。

2.1 第313回(2025年6月10日):溶接会館(WEB会議併用)

講演タイトル所  属氏  名
予熱作業負荷を低減する極低水素フラックス入りワイヤ日鉄溶接工業(株)渡邊 耕太郎 氏
プロセス機器の長手継手を対象とした自動サブマージアーク溶接システムカナデビア(株)小林 優一 氏
低温貯槽の構造と溶接技術開発(株)IHI猪瀬 幸太郎 氏
ケーススタディ【熱処理について:その1】運営WG

2.2 第314回(2025年9月2日):(株)新来島どっく(WEB会議併用)

講演タイトル所  属氏  名
ケミカルタンカーの建造要領(株)ノビテック長谷川 大祐 氏
ケーススタディ【熱処理について:その2】運営WG

2.3 第315回(2025年12月9日):溶接会館(WEB会議併用)

 機械部会・JIW第XI委員会及びパイプライン小委員会との合同開催

講演テーマ所  属氏  名
高圧水素ガス環境下でのラインパイプ材および周溶接部の機械特性評価日鉄エンジニアリング(株)清川 裕樹 氏
二相ステンレス鋼溶接ガイドラインと溶接部組織・性能大阪大学小川 和博 招へい教授
鋼材のアンモニア応力腐食割れに関する研究動向とNKの取り組み(一財)日本海事協会柳本 史教 氏
溶接補修指針改訂版のポイントレイズネクスト(株)津野 和裕 氏

2.4 第316回(2026年3月10日):溶接会館(WEB会議併用)

講演テーマ所  属氏  名
Oil & Gas業界におけるAM適用検証と国際的な客先・ベンダー・規格・認証動向日揮グローバル(株)吉本 直広 氏
フューチャー・デザインとその実践 - 新たな産業イノベーションに向けて大阪大学原 圭史郎 教授
Unlocking Major Cost Savings & Sustainability with Automated Weld Overlay ServicesSulzer社(Singapore)Mr. Hang Seng
化学機械溶接研究委員会の活動をふりかえって 大阪大学南 二三吉 名誉教授

3.幹事会

 委員会の事業企画、小委員会・WG活動、国際活動計画などの運営について諸検討を行った。定例幹事会の開催日を以下に示す。

  • 第1回:2025年6月10日(委員会開催日の午前中)
  • 第2回:2025年9月1日(委員会開催の前日)
  • 第3回:2025年12月9日(委員会開催日の午前中)
  • 第4回:2026年1月6日 新年幹事会
  • 第5回:2026年3月10日(委員会開催日の午前中)

4.常任幹事会

 委員会の中長期的な運営方針の検討を行った。常任幹事会の開催日を以下に示す。

  • 第1回:2025年9月1日(委員会開催の前日)
  • 第2回:2025年12月8日(委員会開催の前日)

5.小委員会及びWG

5.1 N2バックシールド適用評価合同小委員会(長島委員長)

 2025年度は小委員会活動を通じて得られた成果について、次の学協会で公開することでN2バックシールド適用拡大に向けた周知活動を実施した。

  • 「溶接技術」への投稿(10月)
  • 溶接材料部会 「溶接の研究」講習会での発表(11月)
  • (公財)石油学会 装置研究討論会での発表(12月

小委員会は6回開催し、2024年度より執筆を進めてきたガイドライン(案)を取りまとめた。ガイドライン(案)は幹事会でレビューを行い、内容の充実化を図った。

5.2 溶接技術仕様作成小委員会(星加委員長)

 API RP 582の内容をベースとし、スリム化作業を4つの分科会に分けて行っている。さらに、非破壊検査および国内法規と溶接に関する要求事項についても分科会を設け、合計6つの分科会で作業を進めている。2025年度は小委員会を1回開催し、幹事会を2回開催した。2つの分科会にまたがる技術コンテンツの取りまとめが課題となったため、技術コンテンツについて議論と整理を行い、またがらないように分科会に振り分けた。分科会のうち、法規情報集約チームは2025年度で活動を完了した。

5.3 運営WG(高橋主査)

 委員会の将来ビジョンの検討及び活動テーマの探索を主な活動とし、2025年度はWGを4回開催した。委員会における通常の講演発表のスタイルに加え、技術的に深堀すべきテーマを検討し、その討議の場としてケーススタディを企画・運営するとともに、委員会活性化のために所属委員の自己紹介を実施した。2026年度からの若手・女性技術者の委員会活動への積極的な参加を促す施策についても準備を完了した。

5.4 WES 2820改正WG(戒田主査)

2025年度はWGを4回、原案作成委員会を3回開催し、WES 2820改正原案をまとめた。主な活動は次のとおりである。

  • WES 2820改正原案について、部会・委員会回覧、パブリックコメントから提出されたコメントに基づいて修正し、規格委員会 溶接規格専門委員会に最終案を報告、受理された。その後、理事会での審議を経て2026年1月1日にWES 2820:2026として発行された。
  • 2025年11月25日に第2回WES 2820講習会を開催し、88人の参加者を得た。講習会では、WES 2820:2026改正原案に基づく解説を実施したほか、関連する技術動向を紹介した。

5.5 溶接補修WG(津野主査)

 溶接補修指針の改訂活動として、冊子「プラント圧力設備の溶接補修指針(改訂版)」を作成し、10月に発行した。また、2026年2月17日及び18日にシンポジウムを開催し、123人の参加者を得た。また、ASME PCC-2委員会における溶接補修ワーキンググループ(SGWR:Welded Repair Subgroup)に対し、Article 212 Fillet Welded Patches(para. 3.4)の改訂活動への委員派遣を継続している。これに関連し、PMであるChris Dagel氏と電子メールによる意見交換を実施した。「当て板厚さの計算方法の提案(第二報)」において提示予定の当て板厚さ計算式の妥当性検証を目的として、当て板および当て板溶接部に発生する応力状態を評価するFEM解析を実施した。

5.6 DSS溶接ガイドライン出版WG(岩本主査)

 2024年4月25日付で発行した「二相ステンレス鋼の溶接-溶接施工のかんどころ-」の内容に関し、2025年7月9日にシンポジウム(対面のみ)を開催し、50人の参加者を得た。また、書籍発行後のDSSの溶接材料に関するJISの変更を本委員会のホームページに掲載した。

5.7 海外活動WG(戒田主査)

 2025年度はWGを2回開催し、圧力設備技術に関わるASME、APIなどの情報を共有し、本委員会の海外活動への展開について議論した。

  • ASME PCC MeetingのPost Construction Standard CommitteeにWeb出席し、「Introduction of Guidelines for Repair Welding of Pressure Equipment in Refineries and Chemical Plants (2025)」についてプレゼンを行った。
  • ISO/TC 11(ボイラ及び圧力容器)の恒久的な活動再開について、事務局より紹介した。

5.8 圧力設備の溶接設計施工テキスト講習会検討WG(大原主査)

 第2回圧力設備の溶接設計施工テキスト講習会(2025年3月6日~7日実施)において実施したアンケートの結果を解析し、次回以降の講習会開催に向けた方針を策定した。また、Q&Aをまとめ、今後の講習会に活用する予定とした。大原主査が今年度で幹事退任となるため、猪瀬幹事に次期WG主査として内諾を得た。

5.9 情報化WG(松下主査)

 本年度は特筆する活動はなかった。

写真1―(株)新来島どっく見学会(2025.9.2)