2025年度事業報告

1.本部会

 2025年度の部会総会を2025年5月27日に開催し、2024年度の部会事業報告および決算報告の承認ならびに、2025年度の事業計画(案)および予算(案)の審議・承認を行った。

2.技術委員会および分科会

 2025年度は、6つの分科会活動と1つの共同研究WG活動に取り組んだ。技術委員会を4回開催し、各分科会および共同研究WGの活動状況報告および審議を行った。また、10月の地方開催では、今治造船㈱ 丸亀工場の見学を行った。

2.1 溶接材料の国際規格適正化調査研究(調査第1分科会:継続)

 2025年度は、分科会を4回開催し、ISO規格の定期見直し及び改訂案に対する意見のとりまとめを行った。JIS Z 3313(軟鋼、高張力鋼及び低温用鋼用フラックス入りワイヤ)の定期見直しについては、対応国際規格であるISO 17632及びISO 18276に整合させたJIS改正素案を作成し、日本規格協会への公募区分B(2026年2月公募)に応募した。今後、原案作成委員会において7月から原案審議を行い、2027年2月に完成版を提出する予定で進めることとした。また、JIS Z 3312(軟鋼、高張力鋼及び低温用鋼用のマグ溶接及びミグ溶接ソリッドワイヤ)の定期見直しにも着手し、今後改正素案の作成を進めることとした。

2.2 調査第2分科会(AM用ワイヤに関する検討:継続)

 2025年度は、分科会を3回開催し、AM(主にWAAM)に関する文献および書籍の調査を実施した。これにより、研究分野、材質、施工法、シールドガスなどに関する動向を整理した。また、AMに関する特許文献の調査を行い、出願内容の傾向や出願件数の推移をまとめた。これらの結果から、WAAMは限定的な用途で研究が進んでいるものの、現状では一般的な製造技術としての普及には至っていないことを確認し、2025年度を以って活動を終了することとした。

2.3 調査第3分科会(業種別に見た各種溶接材料と将来に関する調査:継続)

 2015年の市場調査から約9年が経過している。この間、溶接にまつわる市場動向は大きく変化しており、溶接材料や溶接機器、溶接技術に対する要求も変化している。本分科会では、これら至近の需要動向を明らかにすることを目的として2024年度から活動を開始した。
 2025年度は、分科会を5回開催し、アンケートの発送、溶接協会-溶接材料部会HPへのアンケート調査ご紹介や回答受付の閲覧、アンケートの集約を進めた。今後は2026年上期までに完成、提出することを目標とした。

2.4 調査第6分科会(アジアにおける溶接材料共通規格の検討:継続)

2025年度は、分科会を2回開催し、AWF標準化委員会の準備、出席報告および活動計画の検討を行った。AWF標準化委員会は5月(モンゴル)と10月(中国)に開催され、日本からはISO TC44 SC3、IIW II-E、JISの標準化に関する情報を共有した。また10月の会議においてAWFメンバー各国でISO規格に提案できる規格案がないか検討した結果「ハンドヘルドレーザー」、「積層造形」、「バーチャル溶接」に関する標準化に興味があるとの意見があり、これらの項目に関する国際規格・国家規格の制定状況を把握することが決まった。

2.5 調査第7分科会(技術委員会70年史編集委員会:新規)

 技術委員会は、昭和31年に活動を開始して以来、2026年で70周年を迎える。本分科会は2016年度から2025年度までの10年間の活動成果をまとめた70年史の発刊を目的に、2025年10月より活動を開始した。2025年度は分科会を2回開催し、掲載内容、作成スケジュール、執筆担当者などを決定した。本年史については、50年史および60年史を補う資料(CD版)として2027年5月の発刊を目指して取りまとめを行うこととした。

2.6 規格化第9分科会(溶接材料のISO、JISおよびWESへの対応:継続)

 本分科会は日本溶接会議(JIW)第Ⅱ委員会との合同会議体として運営し、JISの定期見直しの他、ISOおよびIIWにおける国際標準化活動への対応も行っている。2025年度は、下記3つのWGを設け、ISO規格の制改訂状況のフォローとJIS改正準備に注力した。

① WG1:ISO全般への対応(継続)

 改訂作業中の溶接材料等のISO規格のフォローおよび定期見直し投票結果の審議をおこなうため、ISO/TC 44/SC 3(2025年5月、7月、10月)及びIIW年次大会C-II,IX(2025年7月)に出席し、得られた情報を溶接材料部会の関連する委員会に共有し議論を行った。

② WG 2(JISおよびWES改正への対応:継続)

日本規格協会からの溶接材料に関するJIS 20件の定期見直し依頼に対し、いずれも「確認」と回答した。WES定期見直しは、本年度の対象2件について審議し、「確認」と回答した。

③ WG 3(JIS Z 3211原案作成委員会 分科会:新規)

 JIS Z 3211(軟鋼,高張力鋼および低温用鋼用被覆アーク溶接棒)の改正に向け、JIS改正原案(本文・附属書・解説)の作成と、原案作成委員会(7/16, 9/30, 1/13)のコメントに対応する審議を実施した。3回の分科会を開催し、第3回原案作成委員会(1/13)原案の最終承認を得た。

2.7 化学機械溶接研究委員会との共同研究WG(配管溶接におけるN2バックシールド適用性の評価:継続)

 2025年度は、WGを4回開催してガイドラインの執筆を進め、ドラフト版を完成させた。溶接材料部会および化学機械溶接研究委員会においてドラフト版のレビューを実施し、コメントを集約した。各コメントへの対応を行い、3月にガイドラインを完成させた。

3.関係専門部会・研究委員会および関連団体との連携

 以下の委員派遣を行い、運営への参画および技術委員会での情報共有を図った。
 ① (一社)日本溶接協会 規格委員会
 ② (一社)日本溶接協会 電気溶接機部会 技術委員会
 ③ (一社)日本溶接協会 JPVRC施工部会
 ④ (一社)日本高圧力技術協会 日本圧力容器研究会議(JPVRC)運営委員会
 ⑤ (一社)日本溶接協会 安全衛生・環境委員会
 ⑥ (一社)日本溶接協会 AM部会 技術委員会
 ⑦ (一社)日本鋼構造協会 建築鉄骨溶接部の機械的性質の標準試験マニュアル改正小委員会
 ⑧ (一社)日本鋼構造協会 エレクトロスラグ溶接による柱梁接合部の設計施工法の研究小委員会

4.出版物の発刊

 2024年度の技術委員会および分科会の活動成果をまとめて「溶接の研究」No.64(PDF版)を作成した。

5.講習会の開催

 2025年11月26日に、第22回「溶接の研究」講習会を開催し、3件の活動成果報告と、2件の特別講演を行った。