JWAマークとは

 JWAマークは(一社)日本溶接協会(JWES)がガス溶断器(手動ガス切断器、手動ガス溶接器及び溶断器用圧力調整器)の性能、寸法、安全性などの製品品質が安定していることの証明を責任を持って認定した合格マークです。

 鋼材の切断には、熱切断が多く用いられています。熱切断の中では、ガス切断は代表的なものであり、最も広く使われています。ガス切断はプラズマ切断やレーザー切断の発達によりシェアが減ってはいますが、50mm以上の厚板の切断ができることや、厚板溶接用の開先をとるなど他の熱切断に無い切断が行えます。ガス切断は切断性の良さに加えて、電気や水を必要としないため現場での切断作業に適しており、ガス切断に勝る切断法は無いと言っても過言ではありません。また、薄板の板金溶接やパイプの溶接などは、手動ガス溶接器で行えるため、手軽に使用されています。

 このように、ガス切断やガス溶接は鋼材の加工には欠かせない作業ですが、これらの作業に用いるガス切断器は、高圧ガスを使用するため、ガスの取り扱い方法の習熟の他、機器メーカー間の製品の互換性も安全面の上で、欠かすことのできない条件です。

 安全性、互換性に関しては、JISに規定されていますが、メーカー及びユーザーから製品についても思想を統一して欲しいとの要望があり、1974年(昭和49年)2月に、日本溶接協会に新しい組織『ガス溶断器認定委員会』が設置され、ガス溶断器の認定制度がスタートしました。その後、関連規格の改正に伴い、1985年(昭和60年)及び2004年(平成16年)に認定委員会の規則の見直しを行い、現在に至っています。

 2004年の認定規則の改正は、ISOとの整合化の為に改正されたJISに基づき見直しを行ったもので、特に、試験に関してはJISの試験項目を全て網羅し、かつ、JIS、ISO規格にも無い独自の試験項目を追加し、製品の安全性及び機能などを向上させることを目的に改正されました。

 手動で行うガス切断及びガス溶接作業は、吹管に火口を組み付けたガス切断器及びガス溶接器に、酸素及びアセチレン等の燃料ガスを供給し、火口で火炎を形成させて行います。ガス切断器及びガス溶接器に供給する酸素及び燃料ガスは、ガス容器またはガス集合装置から取り出しますが、そのままではガスの圧力が高いため危険があるばかりでなく、正しい作業ができません。そのため、ガス容器または、ガス集合装置の出口側に圧力調整器を取り付け、適圧に調整したガスをガス切断器またはガス溶接器に供給します。

 現在、認定を行っているガス溶断器は、手動ガス切断器、手動ガス溶接器及び溶断器用圧力調整器の3器種です。2024年4月1日現在の製品は下表に示すように3器種、11種類、137銘柄となっています。また、毎年市場に出ている認定品数は約13万個です。

JWAマーク
JWAマークに関するパンフレット