溶接管理技術者の資格には有効期限が存在し、資格を維持するためにはその都度 更新審査をうける必要があり、サーベイランス審査、および再認証審査の2種類が存在します。最初に溶接管理技術者の認証を受けた際は2年間の有効期間となり、それが満了になる直前に受審するものがサーベイランス審査となり、書類の提出のみで完了します。これを行う事で有効期限は3年延長されます。サーベイランス審査後3年(認証から5年)で迎える有効期限の前に受審するものが再認証審査です。再認証審査では書類審査の後、ガイダンス(講義)、問題演習、筆記試験を1日かけて受審いただきます。これに合格した後は再び2年間の有効期間が設定され、以降はサーベイランス審査と再認証審査を繰り返します。
サーベイランス審査 概要
審査内容
サーベイランスは、書類審査により行い、サーベイランスの申請者の適格性を判定します。書類審査は、申請者から提出されたサーベイランス申請書に対して実施します。
(1)新規認証または再認証後の有効期間2年満了前6か月以内の有資格者へ、
申請締め切り日を指定してサーベイランス用の所定の申請書を送付します。
(2)申請者は次の事項に関して不備の無いように記載をしてください。
① 申請者に関する一般的事項
└氏名・捺印,等級,現有証明書番号,取得年月日,有効期限等
② 最近2年間の記録
├経歴,職歴
├溶接関係各種委員会,講演会,講習会,研修会,認証試験等参加について
└学術著書,雑誌,講演会,研究会等への投稿,発表,講師,特許などについて
③ 所属長氏名・捺印〔②と合わせて業務従事証明として扱う。〕
④ 申請者が受けた苦情の有無
⑤ 適格性証明書用写真貼付
⑥ サーベイランス料金払込済みを示す受領証の写し貼付
(3)『最近2年間の記録』として認められる内容は主に次の通りです。
① 経歴欄に、組長・職長・主任・係長・課長等の役職名と所属部課名等が具体的に記入されており、
かつ職務内容欄に、溶接工事の管理・監督・建設現場監督・工事全般取りまとめ・設計取りまとめ・
技術サービス・基本計画書作成・開発研究・およびその他溶接に関連する事項(教育・指導・長期海外出張等)
の具体的な記載。
② 溶接関係各種委員会・講演会・講習会・研修会・認証試験等参加についての具体的な記載。
③ 学術著書・雑誌・講演会・研究会等への投稿・発表・講師・特許などについての具体的な記載。
サーベイランス申請書送付時期
送付時期は、有効期間満了の約3か月前を目安とする。
- 有効年月日が2月28(29)日の認証者:有効期間満了前年の10月中旬~下旬
- 有効年月日が8月31日の認証者 :有効期間満了同年の5月中旬~下旬
サーベイランス料(消費税 10%)
全等級共通 8,800円[税抜金額 8,000円 + 消費税額 800円]
※サーベイランス料には登録申請料が含まれています。
【 こちらもご参考ください → 溶接管理技術者に係る料金一覧 】
再認証審査 概要
審査内容
再認証審査は、溶接管理技術者適格性証明書の有効期限が近づき、再認証審査を申請した溶接管理技術者の適格性を書類審査と再認証試験により総合判定します。不合格となった場合は二次審査(再試験)を行います。また、クレジット・システムを適用することで再認証試験を受けずに資格の更新も可能です。
(1)登録期間内(5年満了前1年以内)の有効な適格性証明書を保有する溶接管理技術者へ、原則として2回、再認証についての案内及び所定の申請書を送付する。
(2)書類審査
サーベイランス審査と同様の申請書を作成する。ただし、職務記録は最近3年間を記載する。
また、再認証試験の希望受審地を、受審地コードを含め必ず記入する。
(3)再認証試験
① 実施時期
├前期:4月下旬~6月上旬
└後期:9月下旬~11月上旬
② 実施時間
9時30分~17時00分 頃
③ 実施場所
会場は、再認証時期対象者の人数、都道府県別の人数分布、会場の収容人数などから、その都度決定します。
④ 再認証試験の内容および試験方法
├ガイダンス:溶接品質マネジメントの国際化動向,最近の溶接技術の進展,
│ 溶接規格の改訂動向,溶接構造物のトピックスなどの紹介および解説
├─問題演習:演習問題集の解説(1・2級のみ)
└─筆記試験:【特別級】小論文(溶接に関するテーマでA4用紙3~4枚程度)/ 2時間
【1級】記述式問題(問題数4題)/ 1時間
【2級】解答選択式問題(問題数10題)/ 1時間
※全等級で参考図書やノートの持込み・閲覧が認められます。
(4)テキスト
下記3点のテキストを試験当日の現地にて配布いたします。持参の必要な教材はありません。
① 『溶接管理技術者再認証資料 溶接施工技術の進歩』:A4版 304ページ
② 『溶接管理技術者再認証審査 参考資料(別冊)』:A4版 167ページ
③ 『演習問題集(2級・1級)』:A4版 53ページ
在宅審査
在宅審査は、お住まいから審査会場への来場が困難な方、人の集まる場所での感染症の心配を感じる方などが、ご自宅に在宅したままで再認証試験の受審を可能とする制度です。教材をお送りしての通信教育形式となり、ネット環境のご準備は不要です。
【 より詳細な案内はコチラ → 2024年度後期 再認証審査 在宅審査 実施要領 】
再認証審査申請書送付時期
有効期間満了の前1年以内に実施される再認証試験の申請書を、実施時期2~3か月前を目安に送付する。
- 前期(4月下旬~ 6月上旬)実施分:2月下旬
- 後期(9月下旬~11月上旬)実施分:7月下旬
再認証審査 受審料(消費税 10%)
全等級共通 29,700円[税抜金額 27,000円 + 消費税額 2,700円]
※合格後、登録申請料が19,800円(税込)がかかります。
【 こちらもご参考ください → 溶接管理技術者に係る料金一覧 】
Q&A
更新状況と管理
自分の次回更新がサーベイランス審査と再認証審査のどちらになるか分かりません。自分で確かめる方法はありますか?
はい。ご自身の適格性証明書(資格証)の記載内容から確認ができます。
更新状況については資格証左下の認証年月日欄で判別してください。
- 初回認証日:当資格の認証が開始された日です。合格した期によって3月1日の人と9月1日の人がいます。
- 再認証年月日:直前の更新が再認証審査だった人はそれによる更新後の認証開始日が記載されます。そうでない場合は*が並びます。
- サーベイランス:直前の更新がサーベイランス審査だった人はそれによる更新後の認証開始日が記載されます。そうでない場合は*が並びます。
- 有効年月日:現在の認証の有効期限です。この日までに更新審査を完了しなかった場合、資格が失効します。
【次回更新がサーベイランス審査の方】
『サーベイランス』 もしくは 『サーベイランス』と『再認証年月日』の両方 が「*******」
【次回更新が再認証審査の方】
『再認証年月日』 が「*******」
更新時期なのに案内(申請書)が届きません。どのような理由が考えられますか?
① 住所・送付先変更の手続きをしていない
退職や引っ越しで送付先情報が異なっていた場合、変更手続きをしないと古い送付先へ案内が送られてしまいます。
必ず『溶接管理技術者 勤務先・住所変更届』を事務局へ提出し、送付先の変更手続きを行ってください。
② 「サーベイランス審査」と「再認証審査」の判別を誤っている
当ページにあります通り、更新には書類審査のみで完了する「サーベイランス審査」と、
会場での試験を伴う「再認証審査」の2種類があります。
性質上、案内の送付時期や回数が違いますので、それぞれの審査内容をご理解いただき、
ご自身の次回更新がどちらであるのかをしっかりと把握願います。
また、「サーベイランス審査」に関しては書類審査のみのため、ご所属の担当者が
本人を介さず手続きを済ませていると、資格者本人の認識なく更新が完了している場合があります。
思い当たる時は社内での確認をしていただくよう、お願いいたします。
(原則、審査書類の作成は資格者本人が自身で行う事が義務づけられています。
別人に代筆させることは重大な不正となる可能性がございますので、絶対にお止めください)