CAF・CAF-Ⅱ小委員会

活動期間:CAF小委員会 2018年4月~2023年3月(5年間) / CAF-II小委員会 2023年4月~2025年3月(2年間)

原子力発電は脱炭素社会実現に有効な発電方法として再評価されるようになってきました。このため、既存プラントを長期運転する要求が高まり、経年化後に対する健全性評価が重要となっています。特に、中性子照射を受ける原子炉圧力容器に対しては、加圧熱衝撃事象を想定した健全性評価が行われていますが、安全な長期運転に向けてより高精度な破壊解析に基づく評価手法が必要となっています。

近年、一般鋼構造物や建築鋼構造物の脆性破壊を対象とした合理的な構造健全性評価手法として、塑性拘束効果を取り入れた破壊力学的手法が注目を集めており、既にISO 27306*、及びWES 2808**として規格化されています。ISO 27306では、Bereminモデルによるワイブル応力概念に基づき、構造要素の破壊限界をその塑性拘束の程度に応じて標準破壊靭性試験片の破壊靭性値から補正する手法が与えられています。塑性拘束を考慮した破壊評価法は原子力産業界では新しいものであり、その導入に向けて日本溶接協会原子力研究委員会「塑性拘束効果を考慮した破壊評価基準の確立検討小委員会(CAF小委員会)」において、原子炉圧力容器への適用検証を行いました。さらに、破壊評価ガイドラインを策定するとともに、ガイドラインの社会実装を目指して規格化検討を図りました。

ここに掲載する報告書は、CAF小委員会及びCAF-II小委員会における塑性拘束効果を考慮した破壊評価手法の調査、破壊評価手法の適用性検証及び原子炉圧力容器の加圧熱衝撃事象を対象とした破壊評価手法の整備・規格化に向けた検討を行った結果を取りまとめ、一般公開するものです。本報告書が原子力分野における破壊評価基準の高度化並びにプラントへの実適用に役立てば幸いです。

* ISO 27306:Method of constraint loss correction of CTOD fracture toughness for fracture assessment of steel components

** WES 2808:動的繰返し大変形を受ける溶接鋼構造物のぜい性破壊性能評価方法

CAF・CAF-Ⅱ小委員会活動報告書