AM部会員会社のAM製品について、製作実績や実用化例について一覧化をはじめました(2025.6.5)。

この一覧は、AMの研究開発の分野別進捗や製品における要素技術の進展、造形物に対する最適な材料や造形方法等を調査検討するうえで役立ちます。なお、AM実用化事例の著作権は各社に帰属します。

焼け取り作業を不要にする!
                
金属3Dプリンタ製ユニット“YAKENAIN”によるスポット溶接の効率化事例     

実用化時期:2022年4月
概要 ヤケナインは、スポット溶接時に発生する焼け(酸化)を抑制するために開発された電極用のシールドガス噴出アタッチメントである。ガス吸入口からアルゴンなどのシールドガスを導入し、スポット溶接部に向けてガスを効率よく供給することで、焼けの発生を抑制し、焼け取り作業を不要とした。LPBF方式による金属一体造形により、外周壁、内周壁、整流部を同一素材・一体構造で形成しており、最適な整流 性能と耐久性を確保し、スポット溶接時の物理的干渉を最小限に抑えている。

公開情報 Japan International Welding Show 2022に出展し、ARO社(フランス)製溶接抵抗システムへの取付・展示を行う。現在特許申請中。

愛知産業株式会社      
名古屋営業所
担当:大石候多
TEL.052-760-0033

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3Dプリンターによる冷却最適化と軽量化を両立した金型
実用化時期:2022年8月
概要 AM技術を活用し、水冷配管を最適化した金型を開発中。従来の機械加工による直線的な冷却経路に対し、3Dプリンター設計で最適な冷却流路を実現。
ラティス構造を組み込むことで、軽量化と熱交換効率の向上を達成。

公開情報 

埼玉車体株式会社
狭山工場
担当:阿久津光雄
TEL.04-2900-2000

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レシプロエンジンシリンダカバーの耐食性向上

実用化時期:非公開
概要 大型レシプロエンジンの効率向上のために吸/排気ポ ートに冷却水を通す構造を採用する場合、運転時の腐食がしばしば問題となる。そこで当社は、鋳鉄製シリンダカバーの給/排気ポート内面に対し、高耐食性材料を高品質で肉盛する技術を開発した。独自開発した内径施工用クラッドノズルを用いた精密なレ ーザクラッディング技術により、部品寿命の延長とメンテナンス効率の向上を実現している。

公開情報 坂根 雄斗、森橋 遼、岩崎 勇人、井頭 賢一郎、「レ ーザメタルデポジション方式による積層・補修技術の開発」、溶接技術 2021 年 9 月号、他
特許第 6655144 号、特許第 7629803 号、特許第 7629804 号

川崎重工業株式会社
技術開発本部 技術研究所
担当:渡邊健太郎
(弊社 HP よりお問い合わせくださいお問い合わせ | 川崎重工

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部品一体化による製造コスト低減と付加価値向上

実用化時期:2017年
概要 AM プロセスは,単純に従来部品と置き換えるだけではコストメリットが得られないため,いかにして付加価値を見いだすかが重要である。当社では、開発時に時間がかかる供試体の製作コスト低減と製作期間短縮を実現するとともに,従来部品と同等の性能が得られることを確認した。また,部品を一体造形して溶接組立工程をなくす付加価値を付与するとともに,1バッチあたりの造形数量を増やす等のコスト低減対策に取り組むことで 60%のコストダウンに成功した。

公開情報 三菱重工技報 Vol.59 No.1 (2022) 新製品・新技術特集


三菱重工業株式会社
GTCC事業部
ブレード・燃焼器製造部
担当:小牧孝直

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