2022年度 電気溶接機部会 事業計画
電気溶接機部会では、技術委員会を中心として、電気溶接機器関連規格IEC、ISO、JIS、WESの改正審議を行い、技術の維持向上を目的に活動する。また、本年度も「技術講習会」などを通じて電気溶接機器の啓発活動も積極的に行う。2022年度は、以下の活動を計画している。
1.業務委員会
- 溶接機の市況調査
- 技術委員会との連携強化
- 部会活動の検討
- 日本溶接協会賞候補者の検討
2.技術委員会
2.1 概要
技術委員会は、その下に「アーク溶接機小委員会」、「抵抗溶接機小委員会」を置き、溶接機器及び関連機器の技術進歩に伴う基盤強化・普及に努め、特に近年はJISと国際規格(IEC・ISO)との整合化作業のみならず、国際規格作成に積極的に参加し、日本案の採用も目立つようになってきた。さらに、国内・国際規格をベースにした関連法規・法令への原案作成にも積極的に関与している。また、電気用品安全法に関連する技術基準などの関連法規・法令への原案作成にも積極的に関与しており、製造業者ならびに一般ユーザへの技術普及に貢献している。
さらに、技術委員会と業務委員会との連携を密にするため、情報交換の場を持ち、相互理解に努めている。
当技術委員会の活動項目を以下に示す。
- ① 溶接機器及び関連機器の技術的諸問題の検討、及びそれに伴う処理
- ② 溶接機器及び関連機器に関する国内規格(JIS、WESなど)の原案作成
- ③ 溶接機器及び関連機器に関する国際規格(IEC、ISOなど)への対応
- ④ 溶接機器及び関連機器に関する法規・法令・技術指針への対応(電安法・電波法など)
- ⑤ 溶接機製造技術を原点とした技術展開の可能性調査
- ⑥ 関連する周辺分野からの技術情報収集と新しい技術分野の調査・研究
- ⑦ 溶接機器及び関連機器の普及・啓蒙活動
- ⑧ 溶接機器の安全衛生に関わる分野の調査・研究
- ⑨ IT時代に対応した社内外情報収集・発信インフラの整備支援活動
- ⑩ 関連分野の動向に対する認識を深め、溶接業界のレベル向上に資するための技術講演会の実施(テーマは環境・エネルギー・表面処理・マルチメディア・生産システムなどから企画)
2.2 規格・法令関係対応
- ① 国内規格・法令関係
- ・JIS C 9300-5(ワイヤ送給装置)改正後のフォローを行う。
- ・JIS C 9300-6(限定使用溶接電源)改正原案のフォローを行う。
- ・JIS C 9305(抵抗溶接装置)改正原案のフォローを行う。
- ・JIS C 9323(溶接用変圧器)改正原案のフォローを行う。
- ② 国際規格受付文書の整理
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- ・IEC文書の整理及び回答を作成する。
- ・ISO文書の整理及び回答を作成する。
2.3 その他
- ① 対外委員会等への協力
- ・規格委員会 副委員長として山根技術委員長を派遣する。
- ・規格委員会 専門委員として加瀬技術副委員長を派遣する。
- ・規格委員会 薄板接合技術小委員会(SC6対応)に加瀬技術副委員長、和泉委員、古川委員を派遣する。
- ・総務省 情報通信審議会 情報通信技術分科会 電波利用環境委員会CISPR B作業班に金子委員を派遣する。
- ・溶接情報センター運営委員に山根技術委員長を派遣する。
- ・電気用品調査委員会に山根技術委員長を派遣する。
- ・電気用品安全法の性能規定化に対応するJIS開発 性能規定化WG(家電G)に山根技術委員長を派遣する。
- ② 電気用品安全法改正対応プロジェクト
- ・電気用品安全法の抜本改正に対応するために、性能規定化に必要なJISの審議計画を立てる。
- ③ 特化則対応情報収集プロジェクト
- ・Mn規則の情報を収集する。
- ④ 業務委員会との連携
- ・技術委員会と業務委員会間の連携を密にするため、情報交換の場をもち相互理解に努める。
- ⑤ 情報の電子化・共有化
- ・各委員会配布資料を新資料配布システムに掲載し、情報共有化を進める。会議もペーパーレス化を進めている。
- ⑥ 広報活動
- ・実技マニュアル「炭酸ガス半自動アーク溶接」講習会を行う。
- ⑦ ISO/TC 44/SC 10との情報交換
- ・ISO/TC 44/SC 10との情報交換の場を設ける。
- ⑧ エンジン発電機に関する溶接電源の設備容量の情報交換
- ・エンジン発電機に関する溶接電源の設備容量の情報交換の場を設ける。
2.4 アーク溶接機小委員会
2.4.1 WG及びSG活動
- ① 溶接機使用環境改善対応WG(抵抗小委合同)
抵抗溶接機小委員会との合同WGとして活動を継続する。本年度は次の内容を重点的に推進する。 - ・EMCに関する国際規格及び国内法制化等の情報収集。
- ・CISPR国内委員会へのCD案等の賛否回答をする。
- ② 溶接機EMF調査検討WG(抵抗小委合同)
抵抗溶接機小委員会との合同WGとして活動を継続する。本年度は次の内容を重点的に推進する。 - ・IECのEMF規格に対応する。
- ・EMF指令の動向を調査する。
- ・IEC 62822-1(電気溶接機 EMF基本規格)、IEC 62822-2(アーク溶接電源)、IEC 62822-3(抵抗溶接装置)への対応をする。
- ・EMFの計測と評価をする。
- ・EMFに関する研究委託(計測回路の考え方など)をする。
- ・研究報告会を開催する。
- ③ 溶接材料部会との連絡会
- ・溶接材料部会との連携(相互の情報共有)を強化する。
- ④ アーク溶接機規格対応WG
- ・ISO/IECへの投票原案及びコメントを作成する。
- ・JIS C 9300シリーズへの対応を行う。
- ⑤ JIS C 9300-1/-3(溶接電源/起動及び安定化装置)改正規格化検討WG
- ・JIS C 9300-1/-3改正のフォローを行う。
- ・エコデザインへの対応を検討する。
- ⑥ JIS C 9300-5(ワイヤ送給装置)改正規格化検討WG
- ・JIS C 9300-5改正発行後のフォローを行う。
- ⑦ JIS C 9300-6(限定使用溶接電源)改正規格化検討WG
- ・JIS C 9300-6改正フォローを行う。
- ⑧ JIS C 9300-7(溶接トーチ)改正規格化検討WG
- ・JIS C 9300-7の改正素案を作成する。
- ⑨ JIS C 9300-10(EMC要求事項)改正規格化検討WG
- JIS C 9300-10の改正素案を作成する。
- 原案作成委員会への対応を行う。
- ⑩ JIS C 9300-11/-12/-13(溶接棒ホルダー/溶接ケーブルジョイント/アースクリップ)規格化検討WG
- ・JIS C 9300-11/-12/-13の改正素案を作成する。
- 原案作成委員会への対応を行う。
2.5 抵抗溶接機小委員会
2.5.1 WG及びSG活動
- ① 溶接機使用環境改善対応検討WG(アーク小委合同)
アーク溶接機小委員会との合同WGとして活動を継続する。本年度は次の内容を重点的に推進する。 - ・EMCに関する国際規格及び国内法制化等の情報収集。
- ・CISPR国内委員会へのCD案等の賛否回答をする。
- ② 溶接機EMF調査検討WG(アーク小委合同)
アーク溶接機小委員会との合同WGとして活動を継続する。本年度は次の内容を重点的に推進する。 - ・IECのEMF規格に対応する。
- ・EMF指令の動向を調査する。
- ・IEC 62822-1(電気溶接機 EMF基本規格)、IEC 62822-2(アーク溶接電源)、IEC 62822-3(抵抗溶接装置)への対応をする。
- ・EMFの計測と評価をする。
- ③ 規格(IEC/JIS/WES)改正検討WG
- ・ISO/IEC/JIS/WESの改正検討
- ④ SC 6小委員会対応WG
- ・ISOへの投票原案及びコメントを作成する。
- ・JIS/WES改正への対応を行う。
- ・海外規格の調査及び検討を行う。
- ⑤ JIS C 9305(抵抗溶接機装置)規格改正対応WG
- ・JIS C 9305改正フォローを行う。
- ⑥ JIS C 9323(溶接用変圧器)規格改正対応WG
- ・JIS C 9323改正フォローを行う。
- ⑦ JIS C 9325(電極加圧力計)規格改正対応WG
- ・JIS C 9325の改正素案を作成する。
(注)
EMF:Electric and Magnetic Fields[電磁場(界)]
EMC:The Electromagnetic Compatibility(電磁両立性)
CISPR:Comite International Special des Perturbations Radioelectriques (国際無線障害特別委員会:The International Special Committee on Radio Interference)