Mechanical Engineering Division

平成29年度活動報告(H30.4.1)

機械部会では、本部会(ボイラ、圧力容器)及びパイプライン小委員会、並びに国際溶接学会(IIW)第XI委員会に対応する日本溶接会議(JIW)の第11委員会による年4回の定例合同会議を開催し、この内1回は、化学機械溶接研究委員会との合同会議を開催している。また、年1、2回のパイプライン敷設工事現場などの調査・見学会を行っている。これらを通じて最新の技術情報を収集し、製造技術の革新による生産性や品質の向上に関する技術検討及び討議を行ってきた。その主な活動概要を以下に報告する。

1.本部会関係
1.1 JIS、WES等の新規格案、改正動向の紹介及び改正への対応

WES規格の内、機械部会に関連の深いWES改正原案4件(WES6601、WES8101、WES8701、WES8706)、及び廃止原案3件(WES2021、AWE8705、WES8706)の書面審議を行った。また規格委員会への参加と活動紹介及び規格委員会内に新たに設置された、破壊試験小委員会に2名の委員が参加した。
1.2 ボイラ、圧力容器、パイプラインの溶接に関する委員会への参加と技術情報の紹介
IIW-XI委員会、日本圧力容器研究会議(JPVRC)へ参加し、これら外部委員会での活動状況や技術情報を部会内に紹介した。
1.3 特別講演会の開催
溶接技術の動向についての知見を広めることを目的に、特別講演会を年数回開催している。今年度は次の5講演を開催した。
・「LNGタンクの構造と溶接の変遷」:㈱IHI 中西 保正氏
・「国内/海外のパイプライン施工」:新日鉄住金エンジニアリング㈱ 谷中 幸司氏
以下100回記念講演
・「高圧ガスパイプライン(茨城~栃木幹線)の施工と溶接・非破壊検査」:東京ガス㈱ 飯田 貴之氏
・「磁気回転アーク突合せ溶接法の現状」:愛知産業㈱ 今泉 啓氏
・「水素ステーション技術について」:日鉄住金パイプライン&エンジニアリング㈱ 藤田 周亮氏
1.4 溶接継手の機械試験に関する規格のアンケート調
溶接継手の機械試験に関する規格の講習会を機械部会主体で開催して欲しいと言う要望を受けて、具体的なニーズ把握のために各種規格のユーザへのアンケート調査を実施した。
1.5 化学機械溶接研究委員会との合同会議
機械部会より次の2件の報告を行った。
・「9%Cr 鋼溶接金属中のM23C6 粒子粗大化挙動におよぼす微量B 添加の影響」:
㈱神戸製鋼所 坂野 泰隆 氏
・「埋設ガスパイプライン円周溶接部を対象とした溶接きず管理基準の合理化に向けた取り組み」:
東京ガス㈱ 三津谷 維基 氏
1.6 第100回記念大会の開催
機械部会定例会100回を記念して、部会委員に加え過去の部会委員の方々を招待し、記念講演を実施した。
1.7 会員の動向
現会員は、10社と2団体で、㈱IHI、三菱重工業㈱、東京ガス㈱、大阪ガス㈱、東邦ガス㈱、㈱神戸製鋼所、JFEエンジニアリング㈱、新日鉄住金エンジニアリング㈱、日鉄住金パイライン&エンジニアリング㈱、独逸機械貿易㈱、(一社)日本ガス協会、(公社)日本水道協会で昨年度と同様であった。(順不同)
2.パイプライン小委員会活動
2.1 最新のパイプラインの溶接及び施工技術の情報収集及び技術論文の調査と技術検討

機械部会の活動に協力しつつパイプライン溶接技術に関する情報収集を行った。IIW及びASME のInternational Pipeline Conference(IPC)のパイプラインの溶接、施工技術に関する論文等を調査し、有意なものとして以下の論文の解説と技術討議を行った。
・IPC 2016-64206「DESIGN OF IN-SERVICE REPAIR WELDING PROCEDURES FOR OPERATING PIPELINES:CRITICAL ASSESSMENT OF VARIABLES AFFECTING RESTRAINT LEVEL AND HEAT-AFFECTED ZONE MICROSTRUCTURES OF VINTAGE PIPELINES 」:JFEエンジニアリング㈱/勝木委員が解説
・「POLYSOUDE GTAW(TIG)溶接プロセス採用実績」:独逸機会貿易㈱/佐藤委員が解説
2.2 パイプライン敷設工事現場の調査
東京ガス㈱鬼怒ヶ丘分岐ラインのパイプライン敷設現場及び鬼怒ヶ丘バルブステーションの見学会を8月30日に実施した。
このラインは㈱コベルコパワー真岡が建設している国内初となる内陸型の火力発電所へ発電用ガスを供給するためのパイプラインであり、鬼怒ヶ丘バルブステーションとこの真岡発電所を結ぶ延長約1.4km、材質API5L-L415(X60)、400A×12.7tの最高使用圧力7MPaの高圧ラインである。溶接方法は開先角度40°V開先のTF+S(初層ティグ溶接+マグ自動溶接)で効率よく実施していた。
鬼怒ヶ丘バルブステーションは茨城~栃木幹線、古河~真岡幹線、鬼怒ヶ丘分岐ラインの3本の高圧幹線が集合するステーションであり、北関東におけるガス供給で使用する無線通信の拠点ともなっている。そのため高さ約80mの無線アンテナ兼ガス放散塔を有しているなど、バルブステーションとしては最大級のものであった。


図1.開削現場でのマグ自動溶接実施状況

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図2.見学会の集合写真

2.3 最近のパイプラインの溶接施工技術とその将来」の改訂・発行
平成14年に編纂し,平成26年に第2回改訂を行った「最近のパイプラインの溶接施工技術とその将来」の第3回改訂のための編集を各委員が分担して実施した。第3回改訂版は平成31年3月の完成を目指している。
3.IIW-XI委員会対応
3.1 2017年IIW年次大会(中国,上海)第XI委員会への出席
第XI委員会へは、日本から結城(IHI/Delegate)、坂野(神戸製鋼所)が出席した。技術報告はパイプライン関係5件、ボイラ・圧力容器関係6件であった。日本からは神戸製鋼所/板野氏が、「9%Cr鋼溶接金属のM23C6 粒子粗大化挙動におよぼす微量B 添加の影響」について報告した。
3.2 Sub-Commission(SC)活動への対応
XI委員会のSC-E(パイプライン)へは、パイプライン小委員会から委員を出しており、情報収集に努めている。