Committee of Welding
        and Joining Processes

平成30(2018)年度 活動報告(H31(2019).4.1) 

年度は3回の委員会を開催した。
第1回は、東京電力神流川発電所の見学会を行った。
第2回は、今年で5回目となるシンポジウム「第5回 溶接・接合プロセス研究委員会シンポジウム 自動車産業における最新の接合技術」を開催した。これらにより、溶接・接合プロセスと加工・接合部の材料解析技術に関して最新の情報を共有すると共に、各分野のトップクラスの研究者を交えて、現状の課題と今後の発展の方向性について討論、意見交換を行った。

1 幹事会(第1回) 2018年6月22日(木)
・東京電力 神流川発電所見学(群馬県)
・ホテル磯部ガーデン 会議室(群馬県)
≪神流川(かんながわ)発電所概要≫
神流川発電所は長野県の南相木ダムを上部ダムとし、群馬県の利根川水系神流川の最上流部に下部ダムである上野ダムを持つ、落差653mで単機出力47万kWの世界最大級の揚水式発電所であり、現在2号機までが運転しており、今後6号機までの完成が待たれている(最大出力282万kW)。揚水発電は夜間の余剰電力にて上部ダムへ水をくみ上げ、昼間の需要の多いときに水を落として発電する方式であり、急激な電力消費量の変化に数分で対応できる。この大きな落差に耐えうるように使用されている水圧鉄管(ペンストック)には下流部の高水圧部に日本で初めて超高張力鋼板であるHT980鋼(引張強さ100kgf/m㎡)が使用された。
(記 大井氏)

東京電力 神流川発電所見学(2018.6.22)

 

2 拡大幹事会(第2回):2018年11月13日(火) 於:日本溶接協会 溶接会館
委員会: 同日同会場ホール 第5回シンポジウム 自動車産業における最新の接合技術
1) 「青色半導体レーザによる接合加工の新展開」 大阪大学 接合科学研究所 教授 塚本 雅裕 氏
≪概要≫
近年,自動運転電気自動車の開発が進められ,当該自動車に使用される高性能小型モーターおよび大容量小型バッテリーの構成材料である純銅の接合加工技術の高度化が求められている。本講演では,純銅の接合加工に優位性のある青色半導体レーザの高出力化開発および適用事例について紹介する。(記 塚本氏)
2) 「自動車車体に於ける最新の接着技術」 東京工業大学 科学技術創成研究院 佐藤 千明 氏
≪概要≫
接着接合は,異材接合が容易なため,マルチマテリアル車体に於ける主要な接合手法になると予想される.その一方,耐久性や強度の評価が難しく,十分に適用されていないのが実情である.本講演では,自動車車体向けの,最新の接着技術に関して紹介する.(記 佐藤氏)
3) 「塑性変形を利用した機械的接合技術」 豊橋技術科学大学 機械工学系 森 謙一郎 氏
≪概要≫
自動車の車体を塑性変形を利用して機械的に接合するセルフピアシングリベット,メカニカルクリンチング,ヘミング加工など説明する.機械的接合であるため,マルチマテリアル化に対応できる.(記 森氏)
4) 「自動車のマルチマテリアル化と異材接合技術」 マツダ㈱ 技術研究所 主幹研究員 杉本 幸弘 氏
≪概要≫
マルチマテリアル車体の実現には異種材料からなる複数の部材を組み付けるための接合技術が不可欠 である。本講ではNEDO 委託事業の研究テーマであるアルミニウムと異種材料(鋼板,CFRP)の点接合技術の概要を報告する。(記 杉本氏)
5) 「車体へのレーザ溶接適用と品質保証」 日産自動車㈱ 生産技術研究開発センター 樽井 大志 氏
≪概要≫
日産自動車における車体へのレーザ溶接適用事例を紹介する.非接触加工であるレーザ溶接は部品の精度変化に起因する継手隙間の影響を受けやすい.本報では全数インライン品質保証の取り組みについて紹介する.(記 樽井氏)
6) 「レーザ溶接によるいいクルマづくり」 トヨタ自動車㈱ MSボデー生技部技術統括室 小倉 修平 氏
≪概要≫
トヨタ自動車では,近年進化が著しいレーザ溶接によるいいクルマづくりを進めている。鋼板だけでなくアルミニウム接合でも採用が進んでおり,本報告ではToyota New Global Architectureで採用した最新のレーザ溶接技術を紹介する。(記 小倉氏)


3 本委員会(第3回) 2019年3月13日(水) 於:日本溶接協会 溶接会館
1) 「レーザ超音波法による溶接インプロセスモニタリング」
東芝エネルギーシステムズ㈱ エネルギーシステム技術開発センター 星 岳志 氏
≪概要≫
レーザ超音波を用いた溶接インプロセスモニタリング技術開発の成果、今後の展望について紹介する。高温状態の溶接部を施工中に非接触で検査する溶接インプロセス検査技術の実用化、溶融池形状をその場で計測する技術の開発など、溶接プロセス改善や溶接品質向上への貢献という視点で、これまでの成果を発表する。また、レーザ超音波検査の適用範囲拡大に向けて現在進めている装置の可搬化やロバスト化に対する取り組みについても紹介する。(記 星氏)
2) 「超音波探傷試験の最近の動向」 非破壊検査㈱ 技術本部安全工学研究所 松原 重行 氏
≪概要≫
試験体内部のきずや底面などから反射して戻ってきたパルス状の超音波をエコー(やまびこ)と呼び、このエコーの往復に費やした時間と、超音波探傷器の表示器に表れたエコー高さから、きずの位置と寸法を測定する。この探傷方法は超音波パルス反射法と呼ばれ、溶接部の超音波探傷試験に用いられている。本講演では、試験体内部のきずを検出するパルス反射法の基本的な事項について概説すると共に、超音波を利用した最新の試験技術について紹介する。(記 松原氏)
3) 「放射線透過試験の最近の動向」 ポニー工業㈱ 技術本部 松田 淳 氏
≪概要≫
試験体内部のきずの検出や内部構造を特定する手法として、放射線透過試験、超音波探傷試験等がある。本稿では放射線(電磁波)を利用した放射線透過試験の基本的な原理を説明し、最近のIT技術の目覚ましい発展に伴い、従来手法のX線フイルム法(アナログ・ラジオグラフィ)から、フィルムレス・暗室レスのデジタル法(デジタル・ラジオグラフィ)に技術も進歩し移りつつある。 これらのデジタル法についても紹介する。(記 松田氏)
以上