建築鉄骨ロボット溶接オペレータ資格は,溶接ロボットを用いて建築鉄骨の製作を行う者に対する資格であり,継手の部位,溶接姿勢,使用するエンドタブの種類の組合せにより,認証範囲が分かれています。この資格の認証を受けるための技術検定試験は,WES8110「建築鉄骨ロボット溶接オペレータの技術検定における試験方法及び判定基準」及びWES8111「建築鉄骨ロボット溶接オペレータの資格認証基準」に則って実施されるものです。

(1)資格の種類と認証範囲

資格の種類は,継手の部位,溶接姿勢,使用するエンドタブの種類の組合せにより,表1に示す種別記号のとおり区分されています。また,種別記号における認証範囲は表2に示すとおりです。

表1  資格の種類

級別継手の区分溶接姿勢エンドタブの種類ビード継目
部の処理
種別記号
基本級柱と梁フランジ(PP)下向(F)スチールタブ(S)-PP-FS
代替タブ(F)-PP-FF
角形鋼管と通しダイアフラム(SD)なし(N)-SD-FN
円形鋼管と通しダイアフラム(CD)なし(N)-CD-FN
専門級柱と梁フランジ(PP)立向(V)スチールタブ(S)-PP-VS
代替タブ(F)-PP-VF
横向(H)スチールタブ(S)-PP-HS
代替タブ(F)-PP-HF
角形鋼管と角形鋼管(SS)横向(H)なし(N)処理ありSS-HA
処理なしSS-HN
円形鋼管と円形鋼管(CC)なし(N)処理ありCC-HA
処理なしCC-HN
H形鋼とH形鋼(HH)スチールタブ(S)-HH-HS
代替タブ(F)-HH-HF
溶接組立箱形断面柱と溶接組立箱形断面柱(BB)コーナタブ(C)-BB-HC
なし(N)-BB-HN

表2  資格認証の範囲

級別種別記号継手の区分溶接姿勢エンドタブの種類
基本級PP-FSH形鋼柱と梁フランジ
溶接組立箱形断面柱と梁フランジ
十字柱と梁フランジ
H形鋼柱と通しダイアフラム
十字柱と通しダイアフラム
通しダイアフラムと梁フランジ
下向(F)スチールタブ
PP-FFスチールタブ,代替タブ
SD-FN角形鋼管柱と通しダイアフラム
角形鋼管柱と角形鋼管柱
なし
CD-FN円形鋼管柱と通しダイアフラム
円形鋼管柱と円形鋼管柱
なし
専門級PP-VSH形鋼柱と梁フランジ
溶接組立箱形断面柱と梁フランジ
十字柱と梁フランジ
通しダイアフラムと梁フランジ
立向(V)スチールタブ
PP-VFスチールタブ,代替タブ
PP-HS横向(H)スチールタブ
PP-HFスチールタブ,代替タブ
SS-HA角形鋼管柱と角形鋼管柱
角形鋼管柱と通しダイアフラム
横向(H)なし
SS-HN
CC-HA円形鋼管柱と円形鋼管柱
円形鋼管柱と通しダイアフラム
なし
CC-HN
HH-HSH形鋼柱とH形鋼柱
H形鋼柱と通しダイアフラム
スチールタブ
HH-HFスチールタブ,代替タブ
BB-HC溶接組立箱形断面柱と溶接組立箱形断面柱
溶接組立箱形断面柱と通しダイアフラム
コーナタブ
BB-HNなし

(注1)資格の種別記号の中から単数又は複数を選択して,受験申請することができます。

(注2)角形鋼管と通しダイアフラム(SD)が認証されれば,円形鋼管と通しダイアフラム(CD)の経験が無くても認証されます。

(注2)代替タブ(F)での認証を受けた場合は,同継手・同姿勢のスチールタブ(S)の経験が無くても認証されます。

(注3)上記いずれの場合も,資格種別の申請が必要(ロボットの型式認証書添付含む)です。
なお,認証登録時には種別数合計の費用が別途必要になります。