2025年現在、化学機械溶接研究委員会(以下、本委員会という)には、2つの小委員会及び7つのWGの計9つの組織が次の通り活動してます。
1. N2バックシールド適用評価合同小委員会
溶接材料部会との合同で、ステンレス鋼のティグ片面溶接で一般的に用いられているArガスに代わり、N2ガスの適用性を評価することを目的として活動してます。
2. N2バックシールド適用評価合同小委員会
化学プラント・圧力設備の溶接施工について、我が国で利用可能な溶接技術仕様書を構築することを目的に2024年度に発足しました。米国規格のAPI RP 582をベースに技術仕様を4分野に分類して検討を行うとともに、米国規格にはない非破壊検査の仕様や、関連国内法規での溶接施工に関する規定に関する仕様も織り込み、WESとして構築することを目指してます。
3. 委員会運営WG
本委員会の将来ビジョンの構築、活動テーマの探索、講演話題の調査・分析、国際活動などを目的とした委員会運営・将来展開に関する検討を行ってます。
4. WES 2820改正WG
WES 2820:2015(圧力設備の供用適性評価方法−減肉評価)が定期見直しを迎えたことに伴い、改正に向けた諸検討を行ってます。このWGでは、最近の国内外の類似規格との比較検討、構造不連続部近傍の減肉の取扱いなどの有用な最新知見の取込み、適用例題の充実(附属書)など、この規格の利便性向上を図ってます。
5. 溶接補修WG
「プラント圧力設備の溶接補修指針」の改訂について、WES 7700-1~-4(溶接補修)に基づく整備と信頼性を高めるための追加調査などによる拡充を行ってます。本指針の改訂ドラフトを作成するとともに、現行のWES 7700規格群の改正と続編規格について計画してます。
6. DSSガイドライン出版WG
2024年度に産報出版(株)から発刊した技術図書「二相ステンレス鋼の溶接―溶接施工のかんどころ―」を用いたシンポジウムを開催するとともに、本技術図書の英文化について検討してます。
7. 圧力設備の溶接設計施工講習会WG
圧力設備の設計・製作分野における技術者育成と技術伝承を図るため、圧力設備の構造・製作方法を決定するための基本設計、溶接施工要領、品質管理のポイントなどを取り纏めたテキストを2023年3月に作成しました。このテキストを用いた第2回目の「圧力設備の溶接設計施工テキスト講習会」を2025年3月に開催したので、参加者へのアンケート分析を行い、次回以降の講習会の企画へと繋げます。
8. 海外活動WG
圧力設備の製作技術、維持・保全技術に関する海外規格の動向・最新情報を収集し、フィードバックすることにより、本委員会の技術研究や規格・ガイドライン化などの各活動をサポートします。また、委員会活動の海外展開を画策し、我が国の化学機械分野に有益な情報提供を図るとともに、国際規格化を促進します。
9. 情報化WG
本委員会のこれまでの発表資料を整理・分析し、溶接情報センターへ提供可能なアーカイブ化コンテンツ検討を行ってます。