活動報告
平成23年度 活動報告
機械部会では,本部会(ボイラ,圧力容器)及びパイプライン小委員会,ならびに国際溶接学会(IIW)第XI委員会に対応する日本溶接会議(JIW)の第11委員会による年4回の定例合同会議を開催し,この内1回は,化学機械溶接研究委員会との合同会議を開催している。また,年1回のパイプライン敷設工事現場などの調査・見学会を行っている。これらを通じて最新の技術情報を収集し,製造技術の革新によるコスト削減,品質の向上に関する技術検討及び討議を行ってきた。その主な活動概要を以下に報告する。
1. 本部会関係
1.1 関連WES規格の新規及び改正原案の検討及び審議
WES 3004「圧力容器用構造材料の欠陥の補修基準」見直し審議,ならびにWES 8107「溶接作業指導者認証基準」,WES 2805「溶接継手のぜい性破壊発生及び疲労き亀裂進展に対する評価方法」,WES 3001「溶接用高張力鋼板」(和文・英文)及びWES 9002「溶接ヒュームなどに関する注意書きの表示基準」の書面審議を行った。
1.2 ボイラ,圧力容器,パイプラインの溶接に関する技術情報の紹介
IIW-XI委員会,米国Pressure Vessel Research Council(PVRC),日本圧力容器研究会議(JPVRC)の活動紹介,国内外の圧力容器規格の動向紹介,及びJPVRC施工部会での活動紹介を行った。
1.3 特別講演会の開催
溶接技術の動向についての知見を広めることを目的に部会委員を対象とした特別講演会を年2~3回開催している。今年度は次の3講演を開催した。
・「エネルギー輸送パイプラインの強度と設計」
講師:粟飯原 周二 教授/東京大学 工学研究科
・「高圧ガスパイプラインの脆性破壊停止に関する研究」
講師:小口 憲武 氏(工博)/東京ガス(株)
・「最近の溶接電源の動向」
講師:三田 常夫 氏(工博)/㈱ダイヘン
1.4 会員の動向
現会員は,8社2法人で,(株)IHI,三菱重工業(株),東京ガス(株),大阪ガス(株),(株)神戸製鋼所,JFEエンジニアリング(株),住友金属パイプエンジ(株),新日鉄エンジニアリング(株),(社)日本ガス協会,(社)日本水道協会で昨年度と同じである。(順不同)
2. パイプライン小委員会活動
2.1 最新のパイプラインの溶接及び施工技術の情報収集及び技術論文の調査と技術検討
機械部会の活動に協力しつつパイプライン溶接技術に関する情報収集を行った。また,IIW及びASME Pipeline Systems DivisionのInternational Pipeline Conference(IPC)のパイプラインの溶接,施工技術に関する論文を調査し,有意なものとして以下の論文の解説と技術討議を行った。
・Weld Metal Toughness –Sources of Variation (IPC2010-31402):ナノレベルで存在する残留オーステナイトによる衝撃値低下の可能性があることをIHI/結城委員が解説。
2.2 パイプライン敷設工事現場の調査
大阪ガス㈱の姫路-岡山ラインのパイプライン敷設現場見学会を10月14日に実施し,自動溶接による狭開先施工,連続配管施工など施工能率向上の実態を調査した。この他に今年度は,日本製鋼所/室蘭製鋼所,IHI/相生工場の見学会を実施し,圧力容器の製造における溶接の高能率化の実態を調査した。

パイプライン敷設現場での説明状況
参加メンバー集合写真(現場事務所にて)
2.3 「最近のパイプライン溶接施工技術と将来」の改訂・発行
平成14年に編纂し,平成19年に第1回改訂を行った「最近のパイプライン溶接施工技術と将来」の第2回改訂のための編集を各委員が分担して実施した。また,平成24年度に改訂2版として製本発行すべく検討を行った。
3. IIW-XI委員会対応
3.1 2011年IIW年次大会(インド,チェンナイ)第XI委員会への出席
IIWへの参加者は,41カ国 417名と昨年の48カ国 695名よりも少なく,日本からは55名の参加があった。第XI委員会へは,日本から谷中(新日鉄エンジ/Delegate),志村(日鐵住金溶接)が出席した。報告はクリープ関係,溶接材料,溶接工教育,非破壊検査など計11件があった。日本からは,日鉄住金溶接/志村氏がYS 600MPaクラスの高張力鋼用シームレスフラックス入りワイヤの開発について報告した。
3.2 第XI委員会の事業計画と長期計画への対応
2008年に提唱された長期活動計画がそのまま継承されており,次のA~Dの4つの目標が掲げられており,これらを念頭に置き支援している。A:世界一への先導と発展の実践,B:科学的で技術的な情報の交換と知識伝達の助成と維持のための環境を提供する組織づくり,C:国際規格の策定と準備への援助,D:安全,健康,環境保護の奨励と支援。
3.3 Sub-Commission (SC),Sub-Working Group (SWG)活動への対応
XI委員会の下で次のSC,SWGが継続して活動しており,これらの活動動向に注目している。特にSC-Eへは,パイプライン小委員会から委員を出している。
(1) SC-E:パイプライン,主査:D. Yapp (UK)
(2) SWG-C:クリープ関係,主査:J. Hald (Denmark)
(3) SWG-H:水素の影響,主査:B. Dogan (USA)
(4) SWG-A:材料の靭性データの収集,主査:Sonia Felber (Austria)