Committee of Welding
        and Joining Processes

活動内容

平成29年度活動報告(H30.4.1)

本年度は3回の委員会を開催した。第1回はJX喜入石油基地(株)の見学会を行った。第2回は今年で4回目となるシンポジウム「第4回 溶接・接合プロセス研究委員会シンポジウム ~摩擦および超音波による新しい接合技術~」を開催した。これらにより、溶接・接合プロセスと加工・接合部の材料解析技術に関して最新の情報を共有すると共に、各分野のトップクラスの研究者を交えて、現状の課題と今後の発展の方向性について討論、意見交換を行った。

1.講演会
(1)平成29年度第1回委員会 平成29年6月15日(木)  JX喜入石油基地(株)にて
「地上式LNGタンクの経年変化調査」
(株)IHI 山岡 弘人 氏
≪概要≫
大阪ガス(株)泉北製造所第1工場において40年間稼働してきたLNGタンクの撤去に際し、(株)IHIにより実施された各部の調査結果について紹介された。撤去されたLNGタンクは、我が国において最も古い年代に建設されたものであり、初の撤去事例となったことが報告された。また、撤去調査の事例がほとんどなかったため、タンクの構造や材料、施工、運用等を考慮して、タンク全般に渡る多種多様な項目に関して調査が実施された。調査の結果、内槽材料である9%Ni鋼、AL合金の母材や継手部が経年変化していなかったこと、外槽・基礎・保冷材・計装品にも目立った劣化がみられず、LNGタンクとして高い信頼性を維持していたことが報告された。(記 山岡氏)

(2)平成29年度第2回委員会 平成29年11月17日(金) (社)日本溶接協会 溶接会館にて
第4回 溶接・接合プロセス研究委員会シンポジウム ~摩擦および超音波による新しい接合技術~

「異種金属の超音波接合部におけるミクロ組織形成過程」
東北大学大学院工学研究科 藤井 啓道 氏
≪概要≫
超音波接合は、超音波振動により生じる摩擦や塑性変形発熱を利用した固相接合技術である。この技術では、異種金属間の接合も比較的容易に達成されることから、工業製品の小型化・軽量化を実現する強力なツールとなることが期待されている。本講演では、異種金属の超音波接合部におけるミクロ組織形成過程ついて紹介する。 (記 藤井氏)

「超音波接合における相対運動と接合部の拡大機構」
新潟大学大学院 自然科学研究科 佐々木 朋裕 氏
≪概要≫
超音波接合において被接合材同士や接合工具との間に生じる相対運動挙動に注目し、接合界面の摩擦条件や接合工具の表面形状の違いが接合部の形成過程に及ぼす影響について述べる。 (記 佐々木氏)

「航空エンジン部品へのLFW技術の適用検討」
株式会社IHI 根﨑 孝二 氏
≪概要≫
航空エンジンでは、翼とディスクをLFWにより一体化したブリスクを採用する事例が増えている。本講演では、接合による組織の変化や継手の機械的特性、実物大ブリスクの試作結果について報告する。 (記 根﨑氏)

「アルミニウムにおける高周波線形摩擦接合技術」
日本軽金属株式会社 吉田 諒 氏
≪概要≫
線形摩擦接合(Linear Friction Welding )は部材を線形摩擦して接合する固相接合技術であり、チタン合金や炭素鋼等を主な対象として適用が進んでいる。本件では特にアルミニウムを対象とした線形摩擦接合技術の概要や適用例について紹介する。 (記 吉田氏)

「異種材料のFSWおよびFSSW」
岐阜大学 柿内 利文 氏
≪概要≫
Al合金、Mg合金、鉄鋼材料の異種金属の板材を摩擦撹拌接合(FSW)および摩擦撹拌スポット接合(FSSW)によって接合した継手を対象として、その機械的性質や疲労特性を調査した結果を報告する。 (記 柿内氏)

「FSPによる鋼溶接部表面改質と機械的特性改善の関係」
大阪大学 接合科学研究所 伊藤 和博 氏
鋼溶接部の疲労強度増加には、ピーニングによる圧縮残留応力の付与が一般的である。摩擦攪拌プロセス(FSP)は、引張残留応力低減や圧縮残留応力付与に加えて、鋼溶接部表層組織を微細化・強化できる。FSPにより改質された鋼組織と機械的特性の関係、その関係が強調される鋼強度(組織)について紹介する。 (記 伊藤氏)

(2)平成29年度第3回委員会 平成29年3月6日(火) (社)日本溶接協会 溶接会館にて
「大出力レーザによる溶接とその動向」
大阪大学 片山 聖二 氏
≪概要≫
大出力レーザ溶接に関連して、まず、高輝度レーザ溶接時の溶込み特性、ポロシティ、スパッタの生成と溶接現象について紹介し、高パワーレーザの2ビーム重畳による溶接時の溶込み特性と溶接現象、2ビームの重畳の効果、低真空中における溶込み特性とポロシティの防止などを紹介する。さらに、100kWファイバーレーザによる溶込み特性や溶接現象の観察結果も紹介する。(記 片山氏)

「高出力ファイバーレーザの最新動向」
IPGフォトニクスジャパン㈱ 菊地 淳史 氏
≪概要≫
高出力ファイバーレーザは、ここ数年で飛躍的な販売実績を記録している。溶接用途や切断用途の発振器で圧倒的なシェアを持つIPG Photonics社の紹介、および高出力ファイバーレーザの最新動向、適用例を紹介する。(記 菊地氏)

「高出力半導体レーザとホットワイヤ法とを組み合わせた各種溶接技術」
広島大学 山本 元道 氏
≪概要≫
主電源と独立して溶着量を制御できるホットワイヤ法を、制御性の高い高出力半導体レーザ熱源と組み合わせることによって、高速・高能率施工の実現のみならず、施工(ギャップ)裕度の向上、溶接金属特性制御、ビード形状制御、各種強度向上なども実現可能となる。本報では、主に、ホットワイヤ法と高出力半導体レーザとを組み合わせた厚鋼板立向き溶接技術および作製した継手の特性評価結果について報告する。(記 山本氏)

2.見学会
平成29年度第1回委員会 平成29年6月15日(木)  JX喜入石油基地(株)にて

平成30年度 事業計画(H30.4.1)

本研究委員会は、溶接プロセスや界面接合プロセスに関する国内外の最新技術動向の調査や研究課題を提供することを目的としている。特に、溶融接合、固相接合(界面接合)、積層改質及び材料創成などの溶接・接合プロセス全般を主としてプロセス科学と材料科学の両面の立場から取り扱う。平成30年度は、下記の内容で活動を行う。

1.溶接・接合プロセスに係わる最新技術の研究・情報提供
1.1 先進的溶接・接合プロセス(デジタル制御アーク溶接、高エネルギービーム溶接やハイブリッド溶接、摩擦攪拌接合)の研究
1.2 新しい界面接合プロセス(その場焼結接合、瞬間表面溶融接合等)の研究

2.第5回 シンポジウムの開催
これまでに、第1回「摩擦接合の最前線」、第2回「ハイブリッド溶接・接合」、第3回「マルチマテリアルに対応した異材接合」、第4回「摩擦および超音波による新しい接合技術」と題するシンポジウムを開催した。次年度も、研究・開発が目覚ましく、実用化まで検討されているような、最近注目を集めている新溶接・接合プロセスをテーマに、第5回のシンポジウムを計画し開催する。

3.見学会及び技術相談
見学会などによる新規技術の紹介と技術相談等を通じて、提案公募等への支援を行っていく。

4.溶接・接合プロセスに関する文献調査、ガイドブックなどの発刊
最新の溶接・接合プロセスに関する文献調査、ガイドブックの編纂、発刊などを通じて、溶接・接合プロセスの最新動向の把握を行うと共に、普及に取り組む。

5.委員会活動紹介委員会のホームページへ活動報告等を掲載し、委員会の活動内容を紹介する。