Solder and smart joining division

2006年度 鉛フリーはんだ関連JISの改正経緯について

 2006年3月20日にJIS Z 3282:はんだ-化学成分及び形状( Soft solders - Chemical compositions and forms)が改正され発行された。今回の改正は,(社)日本溶接協会はんだ研究員会からISO規格,IEC規格に提案された鉛フリーはんだ組成21種類をJISに追加した内容となっている。


 この改正を受け,JIS Z 3283:やに入りはんだ( Resin flux cored solders)の改正原案が提案され、2006年9月に公示された。また,JIS Z 3282に鉛フリーはんだ組成が追加されたことにより,JIS Z 3910:はんだ分析方法についてもSn基合金である鉛フリーはんだに対応した分析方法が必要となり,現在,改定作業が進められ2007年の3月までには改正案が提出される予定である。

 JIS Z 3283の今回の改正は,小幅に限定して,ISO 12224-1:Solder wire, solid and flux cored – Specification and test methods- Part 1:Classification and performance requirements及び IEC 61190-1-3:Attachment materials for electronic assembly-Part 1-3:Requirements for electronic grade solder alloys and fluxed and non-fluxed solid solder for electronic soldering applicationsとの整合を目的に改正されたものであり,主にJIS Z 3282の改正によって整合が取れなくなる項目について重点的に審議された。


【JIS Z 3283の主な改正内容】

1)旧規格では,フラックス含有量について,区分を設けずに一括して1~3.5%(質量)と規定しているが,最近はフラックス含有量を増加させたやに入りはんだのニーズが高まっている一方で,含有量の少ないものも製造されており,その扱いが審議された。その結果,含有量について1~6%(質量分率)に関して1%(質量分率)刻みで区分することになり,フラックス含有量の記号を製品の呼び方及び表示項目に加えることとした。

2)旧規格では,鉛含有はんだに加え,一部の鉛フリーはんだが,やに入りはんだの対象になっていたが,広がり率に関しても,他のフラックスの特性と同様に,鉛含有はんだと鉛フリーはんだの区別なく,一種類の規格値が設定されていた。広がり率は,他のフラックスの特性と比較して合金成分の影響が大きく,鉛含有はんだと鉛フリーはんだに同じ値を設定することに問題がある,との結論に達した。今回の改正では,多種類の鉛フリーはんだが,やに入りはんだの対象となるが,鉛フリーはんだの広がり率は,鉛含有はんだに比較して劣るのが一般的であり,鉛含有はんだと鉛フリーはんだを区別して,それぞれに規格値を設定することとした。


【JIS Z 3910の主な改正内容(方針)】

1)鉛含有はんだの他に鉛フリーはんだについても適用できるようにする。

2)分析方法について,機器分析を主体にする。また,新たに取り入れる機器分析は,①蛍光X線法,②ICP(誘導結合プラズマ)法③発光分光法とし,従来の滴定法と原子吸光法を加え5種類とする。

3)滴定法については,Snの定量のための鉛還元ヨウ素酸カリウム法,Agの定量のためのチオシアン酸カリウム法,アンチモンの定量のための過マンガン酸カリウム法の3種とする。従来は,この他にさらに3方法あったが,滴定の終点が見極めにくい等の問題があり除外する。

4)鉛フリーはんだ対応の不純物元素として,Ni,Au,Ag,Inの4種を加える。