投稿者 |
トピック |
hisa06 |
投稿日時: 2020-3-24 |
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- WPSとPQR上で異なるSFA No,の記載について
- 初めて質問させて頂きます。
初歩的な事で申し訳ありませんが宜しくお願い致します。 ASME Section?を適用して施工した硬化肉盛溶接のPQRの溶材SFA No,を別途作成するWPS上で異なるSFA No,で記載する事は可能でしょうか。QW404.12も確認したのですがSFA No,自体の変更については触れられていなく根本的に別々の溶材としてみるのが正でそれぞれのSFA No,でPQRが必要と言う考えが正しいでしょうか。
質問の背景としましては、 ステライトNo,6の肉盛溶接において過去に溶材SFA No,A5.13にて取得したPQRをA5.21を使用するWPSのサポートPQRに充てることが出来るのかと疑問に思ったからです。
近くに相談出来る人が居なく確認の意味も含め質問させて頂きました。勉強不足である事、大変申し訳ありませんがご教授頂けると幸いに存じます。 宜しくお願い致します。
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samiec |
投稿日時: 2020-3-26 |
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- Re: WPSとPQR上で異なるSFA No,の記載について
- hisa06さん
質問の背景を具体的に書いていただいたので、ご質問の中身がよく理解できました。これはステライト硬化肉盛りのTIG棒特有のことですので、決して初歩的な質問ではありません。
まず、前提として、次の理解でよろしいですね。 ・WPSとPQRのそれぞれの溶接材料については、違いはSFA-No.だけでAWS Class(ERCoCr-A)と場合によってはTIG棒の銘柄も同じですか。 少なくともAWS Classと溶接方法(GTAW)は同じですね。
普通は、SFA-No.が変わるということは溶接方法が変わるということなので、もともと別の溶接材料ですので答えはNOで明らかです。 しかしこのケースでは、ステライト肉盛り溶材の規格が変更され、TIG用のBare RodでかつてSFA-5.13に規定されていたものが、現在はSFA-5.21に移っただけなのです。ですので、たぶんお持ちのPQRの日付は2000年以前のものでしょう。
これは特別なケースと考えてください。WPSとPQRが同じ溶接材料を使っているのに、規格が変わっただけで使えなくなるのはどう考えても理不尽です。本来PQRは試験記録ですので改訂(Revision)はできないことは理解できます。しかし規格の要求が変わったりした場合は、PQRも修正(Correction)ができるのです。ASME IX の QW-200.2(c)に記載されています。
修正の具体的な方法は、以下のとおりです。 (1) 古いPQRに記載された溶接材料のAWS Class.が現行のCodeのSFA-5.21に規定されていることを確認する。 (2) もしPQRと同じ銘柄の溶材が現在も販売されていたら、ミルシートを入手する。(現在のSFA-No.が記載されているはずです。) (3) hisa06さんの会社のWPS/PQRに対する現在の責任者が、上記を確認したうえで、古いPQRのSFA-No.に二重取り消し線を入れ、横に新しい(現在の正しい)SFA-No.を書き込む。そのうえで、備考欄に「SFA-5.13の規格改正により、溶接材料のSFA-No.の記載を変更した。溶接材料自体に変更なない。」と記載しておけばいいと思います。新たな日付で責任者のサインが必要です。
最初に確認したように、溶接方法やAWS Class.に変更がなければ、このような手段で、昔のPQRを有効利用できます。こんなところでよろしいでしょうか。
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hisa06 |
投稿日時: 2020-3-26 |
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- Re: WPSとPQR上で異なるSFA No,の記載について
- samiec様、初めまして
詳細に回答して頂きましてありがとうございます。 A5.13に分類されていたTIG棒が改訂によりA5.21に移ったのでこれに伴うPQRの変更も条件を満たせば許容されると言う解釈で良かったでしょうか。 また、samiec様の仰る通り、過去のPQRの日付は2000年以前になります。
AWS Classについてなのですが古いPQRのAWS ClassはRCoCr-Aになり、QW-432内のA5.21に記載されていませんでした。ちなみに今回新たに作成予定のA5.21はERCoCr-AになりEの違いがあります。 また、追加の質問になってしましい恐縮なのですがこのEは何を示しているのでしょうか。関連規格やネットでも調べているのですが答えにたどり着かずにいます。または今回の様な過去の改訂内容を調べるのに良い方法などはあったりするものでしょうか。
AWS Class表記が問題無い事を確認し教えて頂きました修正方法にてPQRを修正し活用して行きたいと思います。 過去の経緯など経験が浅い自分にとっては大変勉強になりました。 ありがとうございました。
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samiec |
投稿日時: 2020-3-26 |
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- Re: WPSとPQR上で異なるSFA No,の記載について
- hisa06さん
まず、最初のhisa06さんの解釈はそのとおりです。
AWS Classは、当然古いPQRには古いAWS Classの表記がなされていたのですね。ちなみに、ご質問の"E", "R", "ER"の意味はそれぞれ次のようになります。
E: Electrode の"E"で、溶接材料に通電され電極として母材との間にアークを発生させ、自ら溶融して溶接金属になることを意味します。被覆アーク溶接棒とコアードワイヤにこの"E"が用いられています。 R: Rod の"R"で、通電されない溶接材料を意味します。基本的には、TIGやプラズマ溶接、ガス溶接の溶加棒に用います。 ER: いわゆるソリッドワイヤのことで、TIG用RodとしてもMIG/MAG用Electrodeとしても使えることを意味します。 (その他、コアードロッドもあり、この場合は"ERC"という記号が付きます。)
私も記憶になかったのですが、昔のSFA-5.13は、手溶接棒の"E"とTIG溶接用の"R"に分かれていたのですね。SFA-5.21に変わって、TIGでもMIG(あまり使われませんが)でも使えるようにERの記号が付いたのだと思います。
さて、先のメールの繰り返しですが、PQR作成当時と同じ銘柄の溶接材料が販売されているのなら、メーカーからミルシートを入手してください。もしミルシートがなくても、現在のSFA-5.21を見ればERCoCr-Aしかないのですから、AWS Classに対するPQRの修正は可能だと思います。
最後のご質問ですが、残念ながら今回のようなケースは非常にまれで、私のように40年以上この仕事に携わってきた人間でないと知らない(知らなくてもいい)ことですし、昔の規格を訪ねたり改訂の経緯を調べることはとても難しい作業です。
手っ取り早いのは、hisa06さんが使っている溶接材料のメーカーに直接聞くのがいいと思います。よろしくお願いいたします。
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hisa06 |
投稿日時: 2020-3-27 |
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- Re: WPSとPQR上で異なるSFA No,の記載について
- samiec様
各英字の意味について分かり易くご説明頂きありがとうございました。古いPQRの"R"がTIG用を示していることが分かり、当初の疑問も解決出来そうです。
まずは、溶材についてメーカーに問い合わせをして、その後PQRの修正を行ってみようと思います。
親切にご対応して頂きましてありがとうございました。 中々、過去の事を調べるのは難しそうですが規格を正しく理解し従事していきたいと思います。
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