溶接に関するその他の技術的な話題フォーラム : 手溶接と機械溶接の境目

投稿者 トピック
Fuka
  • 投稿: 18
手溶接と機械溶接の境目
ASME IX 準拠.
半自動溶接FCAWで施工法試験を行って取得した耐食盛金のWPSの一部変更。内径面に適用するためトーチを手で保持するのが困難なため機械的に固定下向き、被溶接物をポジショナーで自動回転させるすることにしました。姿勢は下向きのまま、アーク長や溶接速度、その他パラメータは溶接士による制御です。
このようなケースは機械溶接として新規に施工法試験を行うべき変更に当たるものでしょうか。(スタンプが必要というわけではありません。)
ManualとMachine の定義からPQRが必要なように見えるのですが、本当に必要なのか疑問の声が上がっています。
半自動のトーチを機械的にサポートすることは世のなかに多々ありそうな気がします。
ご教示お願いします。
samiec
  • 投稿: 178
Re: 手溶接と機械溶接の境目
Fukaさん、久しぶりの投稿ですね。ありがとうございます。

ご指摘のように、半自動のトーチを機械に固定して、トーチを移動するか、今回のようにポジショナーなどを使ってワーク(開先部)を移動するか、いずれの場合も機械溶接に定義されます。
トーチの溶接姿勢を下向きで固定し、溶接速度はポジショナーの回転速度を変えるのですね。アーク長や電流値などのパラメータの微調整はオペレータが行う場合でも、これは機械溶接です。

この違いに対しては、スタンプ云々は関係ありません。

さて、Fukaさんにとっての問題は、「ManualとMachine の定義からPQRが必要なように見えるのですが、本当に必要なのか疑問」ということなのだと理解します。

たしかに、母材や溶接材料が同じで、溶接条件もそれほど変わらないのであれば、半自動でも機械溶接でも、溶接継手の機械的性能は基本的には変わりませんね。したがって、ASME IX のQW-255(継手溶接)の表でもQW-255.1(肉盛溶接)の表でも、QW-410.25はNonessential Variableになっています。
つまり、半自動のPQRがあれば、機械溶接のWPSを(他のEssential Variableが変わらなければ)qualifyすることができます。

ただし、welder/welding operatorのqualificationは全く別物になりますので、注意してください。
Fuka
  • 投稿: 18
Re: 手溶接と機械溶接の境目
samiec様

早々にご回答いただいたのに、遅れてしまいました。申し訳ありません。
いつも通りの懇切なご説明で100%納得です。ありがとうございました。
本件の関連質問になりますが、
GMAW機械溶接のoperator qualificationがあり、QW-361.2のEssential Variableに変更を生じない限り、FCAW機械溶接のためにwelding operator qualificationを改めて行う必要はない、という理解でよいでしょうか。またこの場合、QW-355を考慮に含めるべきでしょうか。
重ねての質問、恐縮ですがよろしくお願いします。
samiec
  • 投稿: 178
Re: 手溶接と機械溶接の境目
Fukaさん

ご理解いただき、ありがとうございます。

まず、WelderとWelding Operatorの違いについては、Fukaさんには説明する必要はありませんね。(このスレッドを読んでいただいている方には、QG-109.2 のDefinition(用語の定義)を見てください。"Manual"、"Semi-automatic"、"Machine"、"Automatic"の違いも同様です。)

Fukaさんがご理解されているように、半自動のGMAW/FCAWを行うWelderの技量確認(Qualification)は、QW-355に規定されているEssential Variablesに従います。一方、GMAW/FCAWを含むすべての機械溶接のWelding OperatorのQualificationは、QW-361.2に従います。
Operator Qualificatioには、QW-355のEssential Variableを考慮する必要はありません。先の回答で「welder/welding operatorのqualificationは全く別物」といったのは、そういう意味です。

機械溶接のOperatorの技量確認は、要するにその機械を正しく操作することができるかどうかを確認することです。今回のように、アーク長や電流値などの微調整が必要な場合は、それができるか否かも確認しなければなりません。ポジショナーを使ってもワイヤの位置が微妙にずれる可能性のある場合は、ワイヤが開先の正しい位置にあるか確認し、そうでなければワイヤ位置の微調整もOperatorの技量に頼る場合もあります。

こういった機械の操作が正しくできるかということと、手溶接や半自動のWelderが五感を使って適切な品質の溶接金属を作っていく技量とは、求めるもの(確認すべき事項)が根本的に異なるのです。

こんな説明でよろしいでしょうか。一般に、Machine Welding の Operator Qualificationは、使用する機械の種類ごとに行うのが合理的です。
Fuka
  • 投稿: 18
Re: 手溶接と機械溶接の境目
samiec様

ありがとうございます。だんだんはっきりしてきました。

理解した内容。
「一般にMachine Welding の Operator Qualificationは、使用する機械の種類ごとに行うのが合理的」、つまり装置として(例えば周溶接専用とシーム溶接専用みたいに)A型、B型と2種類あれば、その種類ごとにqualificationを行う。ただしA型の1号機と2号機で別々に確認するまでの必要はない。
実際今回のケースで、外径GMAW周溶接の資格を内面FCAWに適用するのが不合理であることは明らか。
ただし、この辺のことはSection IX 文中にハッキリ書かれているわけではない。品質を管理する立場の溶接エンジニアであれば常識に属する事柄だからである。

社内には以上のように説明しようと思いますが、いかがでしょうか。
くどくて申し訳ありませんが、よろしくお願いします。
samiec
  • 投稿: 178
Re: 手溶接と機械溶接の境目
Fukaさん

上記の説明で、外面のGMAWの仕様については言及されていませんでしたが、基本的な考え方はFukaさんの言われているとおりです。

溶接機(機械or自動)を操作する溶接オペレーターの技量が十分かどうか、製品溶接部の品質を確保するのにオペレーターの何を確認すべきなのかは、溶接エンジニアが決めるべき重要な事項です。

社内の皆さんに納得していただけるように、しっかりご説明ください。
Fuka
  • 投稿: 18
Re: 手溶接と機械溶接の境目
samiec様

ありがとうございます。すっきりしました。
今後ともよろしくお願いいたします。

Fuka



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