溶接に関するその他の技術的な話題フォーラム : JIS B8285 衝撃試験要求時の溶接棒について

投稿者 トピック
KHY
  • 投稿: 6
JIS B8285 衝撃試験要求時の溶接棒について
初歩的な質問かもしれませんが、失礼いたします。
ASME ?のGTAWにおいて、衝撃試験必要時には溶加材のClassificationはSupplementary Essentialになるため、各溶加材ごとに施工法認定試験を行い、PQR/WPSを作成しなければなりません。
しかし、JIS B8285には、上記のような制限の記載は見られません。溶加材の違いにより、新たにPQRを作成する必要はないという解釈で間違いないでしょうか。
ご教示の程よろしくお願い致します
samiec
  • 投稿: 178
Re: JIS B8285 衝撃試験要求時の溶接棒について
KHYさん

まず、ASME IXの規定ですが、ご指摘のように衝撃試験の要求がある場合は、GTAWの溶接方法に対してQW-404.12はEssential Variableになります。したがって、SFA Spec.の中のAWS Class.ごとにPQRの取得が必要です。KHYさんの記述にある「各溶加材ごと」というのは、「溶加材の各ブランドごと」ではありませんが、これはよろしいですね。

一方、JIS B8285では、もともと衝撃試験の試験温度自体が区分ですし、表B.2で、GTAWの溶加材が成分系で区分されています。最低設計温度によって使用する溶加材の成分が決まってくると思うのですが、どんな不都合があるのでしょうか。

実際に、ASMEを適用した場合とJISを適用した場合でどのような違いがあり、今回の質問に至ったのか、その背景を説明していただければ、より具体的な回答ができると思います。

KHY
  • 投稿: 6
Re: JIS B8285 衝撃試験要求時の溶接棒について
samiecさん

拙い質問ながら、回答していただきまして、誠にありがとうございます。

本件の質問の背景を説明いたします。

今回、高圧ガス保安法適用のSUS304の構造溶接のWPSの提出を要求されました。
高圧ガス保安法適用であるため、JIS B8285に基づいた確認試験、またはこれと同等と認められる確認試験が必要になります。
弊社では、主にASME ?に則った施工法試験を行っています。
そのPQRをもとにJIS B8285に則ったPQRに書き換えWPSを新規に登録しようと考えましたが、そのPQRがSUS316の構造溶接であり、AWS Classが異なってしまっており、ASMEの考えを適用すると書き換えは不可能なのではないかと考えました。
しかし、JIS B8285にはそのような記載がなかったため、質問させていただきました。

背景は、以上になります。
今回、高圧ガス保安法適用のため、オーステナイト系ステンレスは衝撃試験不要という事を失念しており、衝撃試験無しのWPS提出で済んだのですが。
今後このようなことで困惑しないように理解を深めたいと考えておりますので、よろしくお願い致します。
samiec
  • 投稿: 178
Re: JIS B8285 衝撃試験要求時の溶接棒について
KHYさん

ご説明ありがとうございます。具体的な疑問点がよくわかりました。
316のPQRをもっていて、新たに304の製品溶接があって、その304のWPSを316のPQRでカバー(qualify)できるかという話ですね。

KHYさんのご理解のように、溶接部に衝撃試験が要求される場合は、ASMEではダメですが、JISではどうかという懸念があるとのこと。たしかに、規格の規定では、例えば316Lの溶接材料のPQRで308Lの溶接材料のWPSを認定できます。

しかし、実際に、ASMEであってもオーステナイト系ステンレス鋼(以下、S/Sと書きます)で溶接部にシャルピーが要求されるのは、極低温の場合のみです。その時は、通常の溶接材料(316L, 308L)ではなく、極低温用の衝撃性能を保証した溶接材料を使用することになります。

ASMEでもJISでも、PQRの衝撃試験温度が、これから使うWPSの溶接部に要求される最低設計温度以下でなければいけないので、今まで持っていた通常の316のPQRはおのずから使えなくなるのではないでしょうか。

S/SをLNG配管のような極低温で使う場合は、特別な管理が必要ですので、そのWPSと同じ溶接材料を使ったPQRが必要ですし、それがなければ、当然ながら新たな溶接施工法試験を行ってPQRを取得することが自然な成り行きだと思います。

このフォーラムでも何度も言っていることですが、なるべく手持ちのPQRを使って新しいWPSを認定したいという気持ちは正しいですが、PQRを多く持つことは会社の財産ですので、我々溶接エンジニアとしては、新しいWPSの作成時にはなるべく施工法試験を行って、溶接部の品質を自ら確認しておきたいです。
KHY
  • 投稿: 6
Re: JIS B8285 衝撃試験要求時の溶接棒について
samiecさん

ご回答ありがとうございます。

今まで使用していた316のPQRは、極低温での衝撃試験を実施していました。
ですので、そのPQRを基にに304用の極低温用のWPSを新規に認定しようと考えておりました。
JISの場合は、このような場合はカバーできるという認識ですが、間違いないでしょうか?

samiecさんが仰る通り、多くのPQRを持つことは重要であると理解はしておりますが、今回は納期が迫っていたもので上記のような対応をしました。
今後は溶接エンジニアとして、WPSの作成時には施工法試験を行っていきたいと考えています。
samiec
  • 投稿: 178
Re: JIS B8285 衝撃試験要求時の溶接棒について
KHYさん

はい、JISの場合の規格の要求の解釈は、KHYさんの理解で正しいです。

TIGの溶加材であれば、通常の308Lでも316Lでも、たとえば-196℃のシャルピーに対して十分な吸収エネルギーをもっていますので、実際にも問題ないと理解してよいと思います。

SMAWやFCAWなどの溶接方法を使用するときは、同じ308L, 316Lでも、フェライト量などを考慮した極低温用のブランド材料を使用することをお勧めします。
KHY
  • 投稿: 6
Re: JIS B8285 衝撃試験要求時の溶接棒について
samiecさん

丁寧な回答していただきまして、大変ありがとうございました。
回答していただいた内容参考に、今後も業務に臨んでいきます。



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