溶接に関するその他の技術的な話題フォーラム : JISZ3422-1のシャルピー衝撃試験片の採取位置について

投稿者 トピック
takam
  • 投稿: 2
JISZ3422-1のシャルピー衝撃試験片の採取位置について
初めての投稿です。
よろしくお願いします。

JISZ3422-1では、試験材の厚さが50mmを超える場合は、更に溶接金属及び熱影響部の各1組ずつの試験片を、板厚中央部の下部又は溶接ルート部から、追加して採取しなければならない。としています。
この板厚50mm超えや板厚中央又はルート部から採取する根拠をご存じでしたら教えていたただけないでしょうか。
よろしくお願いします。

samiec
  • 投稿: 188
Re: JISZ3422-1のシャルピー衝撃試験片の採取位置について
takamさん

JIS Z3422-1は、ちょうど今年2022年版が出たばかりですので、最新版をご確認ください。
基本的には、板厚が50mmを超える突合せ継手では、表面の1セットに加えて溶接ルート部からもう1セットの衝撃試験片を採取する規定となっています。
2003年版の「板厚中央部の下部又は」が無くなっていますのでご注意ください。

さて、なぜ50mmなのか、なぜルート部なのか、というご質問については、元々の規格ISO 15614-1を制定したISOの委員会に確認しないとわかりません。ただし、ASME VIII-1でも38mmを超える厚板の場合は、通常の表面の1セットに加えて、反対側の板厚1/4のあたりでもう1セットの試験片を採取するような規定になっています。

板厚の違いはありますが、基本的な考え方は同じでしょう。10mm厚さの衝撃試験で、板厚全体の溶接部の衝撃性能を保証できるのは、果たしてどの程度の板厚までかということだと思います。
ISOでもASMEでも、これはCodeの最低条件ですので、実際のジョブでは、takamさんが自由に試験片を採取できます。
例えば25mmを超えたら2セット、38mmを超えたら3セットの試験片を採取することもできます。
そうすれば、ほぼ全板厚で衝撃性能を確認できたと言えるでしょう。ISOもASMEも、それよりは甘い規定になっているだけです。

こんな回答でよろしいでしょうか。
takam
  • 投稿: 2
Re: JISZ3422-1のシャルピー衝撃試験片の採取位置について
samiec様

丁寧なご回答ありがとうございます。
とても勉強になりました。
厚さ10mmの試験片で板厚全域をどう保証するかを考えるかが重要であることが理解できました。

今後もよろしくお願い致します。



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管理人からひとこと..
回答しても、何の反応がなかったらちょっとサミシイと思うのです。
回答で助けてもらったら、お礼の言葉を一言書いていただけると、そこにコミュニケーションが生まれ、このフォーラムも活性化していくと思っています。
皆さん、どうかご協力を。