メイン 溶接記号特設フォーラム 全周溶接の指示について |
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投稿者 | スレッド |
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Re: 全周溶接の指示について | #2 |
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投稿: 78
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まず、「全周溶接」記号の意味を確認しましょう。
JIS Z 3021の4.5.2の最初に、「全周溶接記号は、‥‥継手を回る連続した溶接を示す」とあります。 連続した溶接とは、連続した溶接ビード(途中でアークを切ってもいいですが、ビードそのものは連続しているということです。)のことです。 丸支柱の周りを溶接するから、「全周溶接記号を使う」というのではありません。 断続溶接を指示するというからには、支柱の周りを、ある長さのビードを、何カ所かに分けて溶接するということですね? その場合は、基本記号の右側に、溶接長さとビードの個数を併記します(断続溶接、規格の5.3.2を参照)。 この溶接長さと個数を記載しないと、全周溶接記号を付けなくても、丸支柱の周囲を、連続したビードで溶接するという意味になりますので、注意して下さい。 全周溶接記号を付けないのに、何故、丸支柱の周りを連続したビードの溶接を意味するかというと、 (1)溶接記号の矢は、溶接する継手(溶接線と言うべきかもしれません)を示す。 (2)溶接線が円形(楕円形でも同じ。)だと、支柱の周りの1周が、一つの継手(溶接線)となります。 (3)溶接ビードの長さの記載が無いときは、継手全長にわたって溶接する(規格の5.3.1) つまり、支柱の周りの1本の溶接線を全長にわたって溶接するという意味になるからです。 角柱の場合は、ちょっと話が違います。この場合の角柱とは、角部にRのない断面が四角形の角柱が前提です。 四角形の1辺に溶接記号の矢を付けると、溶接線は、その1辺だけです。従って、この角柱の周囲を、連続したビードで溶接させるならば、全周溶接記号を用います。 しかし、1辺の中で断続溶接を行い、その断続溶接の条件(ビード長さ、個数)を他の3辺にも適用する場合でも、全周溶接記号は用いることは出来ません(全周溶接記号は、あくまでも連続したビードを示す。) この場合は、4辺に、それぞれ溶接記号を付けても良いですが、規格の図4のように、一つの溶接記号に複数の矢を付けて指示することも出来ます。 |
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投稿日時: 2021-4-11
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Re: 全周溶接の指示について | #3 |
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投稿: 78
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もう一つ追加のコメントです。
前のスレッドで角柱について記載しましたが、角形鋼管のように、角にRのついた角柱はどうなるでしょうか。 矢が示す継手(溶接線)はどこが開始点で、どこが終了点か分からないですよね。円柱と同じと考える人もいれば、4辺を持つ角柱と考える人もいると思います。 このような場合は、溶接記号の「尾」に、設計者の考えを記載すると良いでしょう。 いずれにしても、矢が示す継手(溶接線)はどこで、その溶接線をどのように溶接するかを分かりやすく正確に指示することが必要です。 |
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投稿日時: 2021-4-11
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Re: 全周溶接の指示について | #4 |
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投稿: 6
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ご丁寧な説明ありがとう御座います。
説明文を読んで納得は出来ました。 連続した溶接=連続溶接(連続したビード)との解釈を間違えた為の疑問になっていました。 今後は「全周=連続溶接が前提」との解釈にて改めていきます。 JISハンドブックに、今回の様な事例が図として載っているともっとわかりやすかったですね。 有難うございました。 |
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投稿日時: 2021-4-15
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